「ああ、やっぱりね…」
二回目の「劇場版シティーハンター 新宿プライベートアイズ」は、はっきり言ってポイントサービスで見ておくべきだったか、とさえ思ったほどである(現金購入一択しか思い浮かばず、ほぼ連チャンで購入した本作をサービスで見るというちぐはぐさ)。
ツイの上では、この作品を10数回にわたってみておられる御仁がおられるようだが、この作品にそこまで推せるポイントがどこにあるのか、聞いてみたいとさえ思う。
久しぶりの一日二本。それも「懐かしの作品」ということで少しだけテンションは上がっていた。それが「シティーハンター 愛と宿命のマグナム」である。
劇場版第一作ということもあるのだが、この作品、ストーリーがなかなか秀逸なのである。東西冷戦も潜り込ませてある世界情勢、もっこりオンパレードに簀巻き、裸吊などお仕置きもなかなかのハイレベル。端役の雑魚っぶりがなかなかに笑えるところもよかったりする。
ではストーリー。冒頭、成田の到着ロビーで一人の男の到着を待つ冴子。引退を考えている有名な情報屋であるキルヒマンから文書を受け取る算段だったのだが、そのアタッシュは奪われ、キルヒマンも暗殺されてしまう。同じころ、親善公演をしに来たピアニストも来日。だが、祖父の元を離れて単独行動。
向かった先は何とキャッツアイ。本名呼びされる海坊主に当方も思わず吹き出す。だが、その曲に聞き覚えがあった。傭兵時代を思い出す海坊主に獠。だが、本題はそこにはなかった。やってきたピアニスト・ニーナの父親捜しを依頼に来たのだった。
テレビアニメ版でおなじみのビルに身を寄せるニーナ。もちろんここで獠の夜這いなり、着替え覗きなり、ふろ場突撃が描かれる。まあここまではお約束。
一転、空気が変わる描写を経て、いよいよ本題に迫っていく。ペンダントの刻印に気が付き、仲間内に調査を依頼する。そして、ニーナの祖父から真実が語られる。「赤い死神」と称される東側の工作員がニーナの父親であり、母と別れたことをニーナが不審がっていた、その人だったのである。
さて、採点である。
正直Blu−Ray上映であり、画質は言うに及ばず、作画も90年代初頭をほうふつとさせる、ややレベルの低さが浮き彫りになる。2019年基準の作品を見た後ならその落差は疑いようもない。
だが…
絵はきれいでも内容がない「新宿」より、獠と香の関係性をことさらにお互いに問いかける場面の多いこの作品は、テレビシリーズが描き続けてきた、自然体の二人を見せつけることに成功している。囚われの香とニーナの祖父・クラウスとの会話、屋上でのニーナと獠の会話、そしてヨハンと獠の最期の対決。すべてに意味があり、一つも不都合や矛盾を感じさせない脚本にはうならざるを得ない。
また、本質を見抜く能力のあるニーナにも、描写が程よく入っていた。賊に対峙する獠に心を奪われ、のちに父親と知る紳士に感慨を抱く。そういった「ははぁーん」なところが多く感じられたのもなかなか良かった。
ということで、なんと、「新宿」より上位の92点のファーストで確定とする。まあニーナの父親は死んでいない、とは込めた銃弾の特異さでもわかったし(私は血のり弾かな、と思っていたが)、あえて冴子が「死んだ」と報告に来たあたりで確信した。二人の再会には、さすがにほろっと来てしまうから、始末が悪い。
30年近く前の作品。テレビアニメのスピンオフ的な位置づけでもあろうかと思うのだが、やはり全盛期を迎えていた作品を手掛けていたこともあって、作画のブレがほぼ感じられなかった。キャラデザがテレビアニメと同一の神村嬢であることもプラスに感じられる。
一大名跡でもある、シティーハンター。海外でもモチーフ作品は好評で、なんと、フランスでは、「ニッキーラルソン」という別名でアニメが放送され、実写映画化もされているというから驚く。
→コメディー風にアレンジしている模様だが、「シティーハンター」としてみない方が面白いかもw
フランス版の予告がこちら。
実写化に首を縦に振らなかった北条氏が売り込みに来た監督兼主演の彼の熱意を見て即決したことでも有名なこのフランス映画。ソニー配給だし、見てみたいところである。
結局行きつくところは脚本なのか、という思いを新たにした、30年ぶりの鑑賞となった。
二回目の「劇場版シティーハンター 新宿プライベートアイズ」は、はっきり言ってポイントサービスで見ておくべきだったか、とさえ思ったほどである(現金購入一択しか思い浮かばず、ほぼ連チャンで購入した本作をサービスで見るというちぐはぐさ)。
ツイの上では、この作品を10数回にわたってみておられる御仁がおられるようだが、この作品にそこまで推せるポイントがどこにあるのか、聞いてみたいとさえ思う。
久しぶりの一日二本。それも「懐かしの作品」ということで少しだけテンションは上がっていた。それが「シティーハンター 愛と宿命のマグナム」である。
劇場版第一作ということもあるのだが、この作品、ストーリーがなかなか秀逸なのである。東西冷戦も潜り込ませてある世界情勢、もっこりオンパレードに簀巻き、裸吊などお仕置きもなかなかのハイレベル。端役の雑魚っぶりがなかなかに笑えるところもよかったりする。
ではストーリー。冒頭、成田の到着ロビーで一人の男の到着を待つ冴子。引退を考えている有名な情報屋であるキルヒマンから文書を受け取る算段だったのだが、そのアタッシュは奪われ、キルヒマンも暗殺されてしまう。同じころ、親善公演をしに来たピアニストも来日。だが、祖父の元を離れて単独行動。
向かった先は何とキャッツアイ。本名呼びされる海坊主に当方も思わず吹き出す。だが、その曲に聞き覚えがあった。傭兵時代を思い出す海坊主に獠。だが、本題はそこにはなかった。やってきたピアニスト・ニーナの父親捜しを依頼に来たのだった。
テレビアニメ版でおなじみのビルに身を寄せるニーナ。もちろんここで獠の夜這いなり、着替え覗きなり、ふろ場突撃が描かれる。まあここまではお約束。
一転、空気が変わる描写を経て、いよいよ本題に迫っていく。ペンダントの刻印に気が付き、仲間内に調査を依頼する。そして、ニーナの祖父から真実が語られる。「赤い死神」と称される東側の工作員がニーナの父親であり、母と別れたことをニーナが不審がっていた、その人だったのである。
さて、採点である。
正直Blu−Ray上映であり、画質は言うに及ばず、作画も90年代初頭をほうふつとさせる、ややレベルの低さが浮き彫りになる。2019年基準の作品を見た後ならその落差は疑いようもない。
だが…
絵はきれいでも内容がない「新宿」より、獠と香の関係性をことさらにお互いに問いかける場面の多いこの作品は、テレビシリーズが描き続けてきた、自然体の二人を見せつけることに成功している。囚われの香とニーナの祖父・クラウスとの会話、屋上でのニーナと獠の会話、そしてヨハンと獠の最期の対決。すべてに意味があり、一つも不都合や矛盾を感じさせない脚本にはうならざるを得ない。
また、本質を見抜く能力のあるニーナにも、描写が程よく入っていた。賊に対峙する獠に心を奪われ、のちに父親と知る紳士に感慨を抱く。そういった「ははぁーん」なところが多く感じられたのもなかなか良かった。
ということで、なんと、「新宿」より上位の92点のファーストで確定とする。まあニーナの父親は死んでいない、とは込めた銃弾の特異さでもわかったし(私は血のり弾かな、と思っていたが)、あえて冴子が「死んだ」と報告に来たあたりで確信した。二人の再会には、さすがにほろっと来てしまうから、始末が悪い。
30年近く前の作品。テレビアニメのスピンオフ的な位置づけでもあろうかと思うのだが、やはり全盛期を迎えていた作品を手掛けていたこともあって、作画のブレがほぼ感じられなかった。キャラデザがテレビアニメと同一の神村嬢であることもプラスに感じられる。
一大名跡でもある、シティーハンター。海外でもモチーフ作品は好評で、なんと、フランスでは、「ニッキーラルソン」という別名でアニメが放送され、実写映画化もされているというから驚く。
→コメディー風にアレンジしている模様だが、「シティーハンター」としてみない方が面白いかもw
フランス版の予告がこちら。
実写化に首を縦に振らなかった北条氏が売り込みに来た監督兼主演の彼の熱意を見て即決したことでも有名なこのフランス映画。ソニー配給だし、見てみたいところである。
結局行きつくところは脚本なのか、という思いを新たにした、30年ぶりの鑑賞となった。