多趣味・マツキヨの落書き帳

2013年(平成25年/皇紀2673年)1月、タイトル含めて大幅刷新いたしました。 現在、ダイエー店舗訪問記録/映画鑑賞記/即席麺試食記/ラーメン店訪問記がメイン記事となっております。画像/引用/リンク等は、ご随意に。

2019年05月

2019.5.20 SMTサービスデー利用 「居眠り磐音」 鑑賞記

時代劇がテレビでそれほど多く見られなくなって久しい。「水戸黄門」「暴れん坊将軍」「必殺シリーズ」「鬼平犯科帳」「長七郎江戸日記」などなど、テレビドラマで週一で放送できていた昭和末期から平成初期にかけてが、時代劇ドラマの全盛期だった。
なぜ作られなくなったか?理由は時代考証……要するにちょんまげ、和服と言ったふた手間も三手間もかかる準備に、人手が追いついていないところが影響しているんだと思っている。
フィルムで無くビデオ撮りされて映像を作る部分では簡便さが増したはずだが、それでも時代劇ドラマは死滅寸前。たまあにNHKが忘れたころにドラマをやったりしているが、それでも数話完結、半年ものなんて作る余裕すらないのだろう。

そこへ行くと、スクリーンで作られる時代劇はここ最近本数を増している。そのものずばりの「関ヶ原」、「散り椿」と言った正統派から、ハイブリッドといえる「銀魂」、「るろうに剣心」、ギャグテイストの「蚤とり侍」や「さや侍」と、ジャンルもすこぶる多くなっている。今年から来年にかけてこの時代劇映画が一気に公開される(サムライマラソン/多十郎殉愛記、予告でもあった「決算!忠臣蔵」などなど)。
そんな中にあって、テレビの予告があまりにふんわりテイストで「そんなことないだろう」と思っていた、「居眠り磐音」の評価が高い部分が漏れ聞こえる。そんなら、と、ちょうど、職の切り替わりの最終日に当たる、20日に見ておこうということになった。そしてその日は松竹系のSMTのサービスデーでもある。

朝一の回に余裕で到着するのだが、場内は、10名ちょっと超えるくらい。まあ、平日、それも月曜の朝から勢い込んでスクリーンに対峙できるのは、たまたま休みだったか、本物の映画好きしか参集しないだろう。平均年齢は60歳手前くらい。男性がやや多めだったが、夫婦での鑑賞の組数も無視できない。

ストーリーは、大分県のとある藩の、江戸詰め(派遣されていた)の3人の武士の帰郷からスタートするのだが、それがたちまち血なまぐさいものに切り替わっていく。幼馴染どおしで兄弟が婚姻の契りを交わしていることが余計に事態を悪化させてしまう。不義密通を疑われた妻を手打ちにしたことから、その兄が乗りこみ、まさに見境ない殺人鬼に変貌を遂げていく。それをやるかたなく見守るしかない磐音。しかし、結局大の親友を手にかけなくてはいけなくなってしまう。
そして舞台は江戸に。浪人に身をやつした磐音は長屋生活で日々の暮らしもままならない。それでも大家と、大家の娘で両替商に勤めている娘の尽力でその両替商の用心棒に納まる。
だが、そこで両替のからくりをうまく利用した錬金術を編み出そうとしている別の両替商と対立してしまう。刺客は仕向けられ、挙句大量な仕掛けで敵対する両替商をつぶそう、ひいてはその政策を取った老中・田沼意次の失脚まで画策しようとしていたのだった。
だが、それも、磐音の機転で難を逃れる。それどころか、やりすぎた両替商の方が贋金を紛れ込ませていたことが露見しておとり潰しになるところまで。
それでも磐音の心は晴れない。なんといっても故郷に残してきた許嫁の処遇が気になっていたのだったが……

この作品のキーワードは、ど素人でもすぐに見抜ける。それは「南天」である。南天の花の咲く場所でのプロポーズ、赤く実のなる冬場の道場で手紙を読むシーン、そしてラストの橋のたもとで咲く南天の花。本当は届けるはずだった匂い袋にも南天の刺繍。もうここまでくると狙ってというよりも「これでもか」と畳みかけているようにすら思える。
南天が指し示すその先はよくわからない。だが、これが彼らの「ムスビ」であったとするなら、これはこれですごい役割を果たしていたことになる。
というわけで採点なのだが、もうね。松坂桃李のかっこいいこと。今まではそれほど身長も高くないし、主役を演じるとなっても少しアピール度には欠けていた部分もある。だが時代劇は逆に身長がありすぎるのは違和感でしかない。ちょうどいい背格好に収まっているから、主役でも大丈夫なのだ。
そして、殺陣のうまいこと。もちろん、それ相応に練習・訓練はしただろうし、そのたまものであると思うのだが、美しいとさえ思える動きにファンならずともめろめろにさせられてしまう。芝居の方は、確かに「……」なところは否定しないが、それはこれからのお話。というわけで94点とかなりの高得点を記録する。

得点の最大の配点箇所は、「よもやの大逆転」が描かれていたことである。お互い武家の出であるとはいってももう一人は手の届かないところにまで"出世"してしまった存在。それでもお互いを思い続けているという、ちょっと「秒速」っぽいクライマックスには涙腺が大きく作用する。あの手紙のシーンはダメである。
それにしても、よくぞここまでスターを集めたものだと思う。ちょい役でも手を抜かない(特別出演枠が大半だけど)し、大家役の梅雀がきっちりとした押さえキャラになっている。
ストーリーに無理なところは一切なかったし、むしろ流れるようなよどみのなさがすごかった。悪徳両替商を手玉に取る下りはまさに圧巻だった。
時代劇映画は意外と良質なものが多いわけだが、それはまだノウハウが継承されているからだと思う。令和の時代になって、その手法が失われないようにしなくてはならない。

2019.5.16 サービスデーで見る2本(2) 映画クレヨンしんちゃん2019年版 鑑賞記

朝一の「轢き逃げ」は、さすが、サービスデーということもあり、特に初老の男女がかなりの入れ込みを発生させた。当方試算で125人箱に7割強。男性ソロが確かに圧倒的だが、女性グループやペアもそこそこ見かけられたし、想定の範囲内の観客層だった。男女比は2:1で男性優位、平均年齢は60歳前半と高めに見積もっても間違ってはおるまい。

食事を終え、勤務店に最後の挨拶かたがた書類を提出する。完全にこれで切れたわけではないにしても、けじめをつけられたのは大きい。
そして、梯子2本目は、5/1のレベンジと称して、「クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし」を高らかに指名。さすがに1800円(正価)で見るべき作品ではないから当然といえば当然である。

昼中の上映会ということもあり、かなりの閑散度合い。結局お子様連れは3組、あとはソロという次第で10名強と言ったところ。まあすでに3週目に入っているし、土日祝日しか用事の無い作品だけに、こうなることは仕方なかろう。

新婚旅行未体験の野原夫妻が、オーストラリアに旅行に行く、それが夫婦のきずなをより強固にしていくことにもつながる、というあたりは今までの作品を知らないとは言っても明らかに「大人の方を向いている」という選択をしたと思っている。
ところどころで印象的なセリフの応酬があるのだが、今ひとつピンと来なかった。ただ「あ、これ、君縄効果か」と思えたのは、往年の名曲を使ってちょっとしたミュージカルスタイルにした部分の演出である。福山雅治の「HELLO」、MISIAの「Everything」を印象的な場面で、前者はひろしに、後者はみさえに歌わせるということをやってのける。これがかなり効果的に思われた。

とは言うものの……全体像はガバガバ。ラストの"姫"の登場はもうやる気なしだろう(設定の段階で、これでゴーサインを出したやつの顔が見てみたい)に思えたし、そんな感じだからラストシーンは、落ちずにグダグダ。強引なまとめに持っていくところで大幅にポイントは減算されていく。
確かに面白くない、とまで断罪するつもりはない。ヘビ→新体操からのしんのすけの発生させるハリケーンはきれいに三段落ちにもなっているし、あえての聞き間違いでトンデモ単語を創作できるしんちゃんの頭脳はすごすぎる。
でも、ストーリーの薄さは如何ともしがたい。「こんなレベルだったんだ」と感じてしまい、特に後半はかなり退屈してしまった。ということでツイのファーストインプレッション82点そのままの評価とする。

「おとな帝国」が俄然評価が高いと聞くし、毎年生み出せるパワーというものには尊敬の念しかない。それでも今作の「見え透いている」ひろしやみさえのセリフには、感情移入ができない。あれほど寄り添っている二人であるという回想もあのシーンでの畳みかけの伏線というのはわかるのだが、それが大きく生かされるまでには至らない。
毎年送り出す=練っている時間がない ことの裏返し(監督二人で交互に回していることからも、製作は2年で済ませている模様)だから、多くを期待してはいけないんだと思うが、それでもここまでに仕上げられるんだから、凄いことである。

2019.5.16 サービスデーで見る2本(1) 轢き逃げ 鑑賞記

水谷豊氏、といえば「熱中時代」や「傷だらけの天使」での熱演ぶりが50代前後の方には印象深いのではなかろうか。ここ最近では、ダー様よろしく、紅茶好きの杉下右京役を演じる「相棒」がロングランヒットを飛ばすなど、主役クラスとしても一定の成果を上げられている。
だが、実際の芝居は、申し訳ないが、ほぼ棒読みで感情の発露が少ない。そう言う役作りだから、といわれそうだが、役者としては2流クラスだろう。実際、ドラマや映画で役者の目利きをよくする母に言わせれば「芝居を見るのも我慢できない」レベルなのだそうだ。

その水谷豊氏が、映画を作る、ということを最初に知ったのは、2017年の自身の監督デビュー作「TAP THE LAST SHOW」の予告だった。残念ながら、まだ邦画にそれほど興味の湧いていなかった時期であり、「へえ、監督業もやるんか」レベルで止まっていた。当然見ていない。
そして2年ぶりの2作目となる今作「轢き逃げ 最高の最悪な日」は、岸部/壇と、固める脇に、若手俳優の芸に焦点が当たっていた。なにより、地元・神戸の印象的な場所が次から次に出てくるのだ(物語上は神倉市と言う架空の地方都市だが、ポートタワーも隠さず配置していたので神戸だとすぐわかる/また、被害者の家族が住んでいるのは、六甲山のロープウェイが真そばを走るロケーション)

集合から遅れてしまった二人を乗せた車は、裏道をぐいぐい上るのだが、定休日だった店の前にいた女性を轢いてしまう。それが事件の端緒だったのだが、この作品、報道や、自身の所属する会社で話題になることがあるものの、実際の警察の活動や、捜査陣に追い詰められていく加害者側の描写は開始半分くらいまでないという状況にしてある。その代わり、良心の呵責に苛まれていくエリート社員の苦悩と、間近に迫ったフィアンセとの結婚という一大行事の前に押しつぶされそうになっていくところが大きい。
そしてこの作品の分水嶺は、面白いことに二人で行った映画鑑賞にしてあるところが憎たらしい。そこから、今までのエリート社員は、ひき逃げ犯としての記号が付けられていくことになる。
轢き逃げ犯がお縄になったその時から、ようやく被害者の家族やその関係者たちが姿を現す。水谷豊と檀ふみという熟年夫妻は、最後半、嗚咽なしには見られない演出が待っていようとは思いもよらなかった。
父は、被害者で故人の自分の娘・望の日記を見つける。持っていなかった携帯に関する答えが日記に記されていたのだが、そのあたりから、「なぜ娘は死ななくてはならなかったのか」を追求し始める父・水谷豊の行動がクローズアップされる。
そしてたどり着いた、娘にできた彼氏の存在。だが、そこで父はとんでもない事実に遭遇してしまう……。

観た後だから言えるが、こういうストーリー/黒幕がいた、という内容とは全く感じていなかった。ただの自動車によるひき逃げ事故。それが仕組まれたものだった、という意外性は高く評価したいと思うのだが……目撃者であり、同乗者であり、策謀者であった友人の存在は、ここにきて「そんなうまい事行くかいな」「嫉妬のせいで人殺しまでさせるのか」というところになってしまう。
辛辣に評しているブログも見つけたが、プロの脚本家でもない水谷氏によるものであり、もう少し練られなかったものなのか、とは思ったりもしている。
どうして彼女だったのか、そして利用されただけで殺されてしまった彼女こそ、浮かばれない。しかし、そこに内包されている、エリートたちの丁々発止、出世欲、派閥、政略結婚などなど。それらがこの"殺人"事件の遠因になっているとしたら。「浮かばれない」とは言ったが、まさに万死に値する行為である。

そういうわけで、ツイのファーストインプレッションは意外性にしてやられた部分を持って96点としたが、咀嚼して「ぶっちゃけありえなーい」(某少女ヒロイン 談)な部分が見え隠れしたことが徐々に点数を減らしていく。というわけで当ブログでは91点に決定する。
なんといっても「父の捜査」に不信というか、それをしてしまえる点に疑問符が付くのだ。最初っから「この死は何か問題がある」とわかってやっているかのような動き。確かにストーリーは真犯人……轢き逃げさせる別の力を見出す方向になっていくのはわからないでもないのだが、それが見つかったからと言って、家宅捜索(不法にwwwww)した挙句に殺そうとまでしたのだから、そこまで至った経緯はともかくやりすぎである。
ただ、加害者側の丁寧な人物描写と、念入りな感情表現はなかなか堂に入っていた。激賞するほどの名作ではないと今ならいえるが、老刑事役の岸部であるとか、妻を演じた檀ふみの渾身の芝居を見させてくれただけで、十分元は取れる。

一時期死亡事故は減少傾向にあったのだが、ここ最近、印象的な死亡事故が多発している。高齢者が引き起こす「プリウスアタック」もいまだに続いているし、最も売れた車ゆえ、そう揶揄されてしまうのも仕方なかろう。だが、事故が関わった人すべてを狂わせることは間違いない。事故そのものよりも「それがもたらす心身的な変化」に焦点を当てた監督の見方には賛辞を惜しまない。もし次回作があるなら、ベテランの脚本家を起用して、濃密な作品に仕上げてもらいたいところである。
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