先ほど最終回を、録画していたもので見終えた。
最後の最後ぐらいは・・・の大半の視聴者の思いはきっちりと打ち砕かれ、純が断崖絶壁で「大演説」を打ち、今までの自分との決別を宣言するためだけに時間の大半が費やされてしまった。

ほとんど愛と絡まなくなったことから、「目覚める」ような奇跡的なハッピーエンドは臨むべくもなく、最後のキスシーンでも反応が多くあったものの、結局目を開けないままエンドタイトルとなり、ここ最近の朝ドラとしては、微妙な終わり方になってしまったことは間違いない。

自分に正直で猪突猛進型の純が、内向的で純とは対照的な愛と出会い、結ばれていく過程は、正直、おもしろかったのだが、場面が二転三転していく中で、情景が散漫になり、挙句不治の病に愛が侵されるという、トンデモ設定。ホテルが大ダメージを受けたあたりも「漫画」的であったので、あのあたりから一気にさめてしまっていた。
本当に最後の一週間は、「朝からこんな陰鬱なドラマ見なくて良かったわWW」「そうそう、で、最終回で、うまくやらかしてくれるんだよね?」といった、期待と不安を見事に引っ張り、そして、一同、「ズコー」にさせてくれたわけである。

151回の放送だったようだが、残念ながら、145回までで築き上げたものが、たったの1週間/6話の放送だけで見事に御破算にしてしまう破壊力があることをまざまざと見せ付けられた。正確には、151話で止めをさしたというべきだろうか・・・。再起を予感させる回である筈が、その形も提起できず、むしろ問題は山積したまま。これで「ハイ、終わりwwwww」と、時間切れ/投げ出したかのような最終話にしてしまったこと自体、それまで応援しついてきてくれた視聴者に対する背信行為であるとは言い過ぎだろうか?

「終わりよければすべてよし」とはよく言ったものである。この言葉を、幾多の名作を生み出した脚本家氏が知らないわけでもなく、こういった中途半端な終わらせ方にしなくてはならない意図があったのなら聞きだしたいところである。
「そういうお前らこそ、脳腫瘍で重篤な患者の意識が元に戻るなんて、ドンだけお花畑なんだよww死んでないだけありがたく思いな」と脚本家氏は言いたいのかもしれない。だから、現実を突きつけてああいう終わらせ方にしたのかもしれない。
ただ、タイトルバックに使われていた絵本にあったような、「絵にかいたような」ハッピーエンドを期待させてくれていただけに、その落差は埋められないほどに隔たりがある。後半「復活」を期待させながらかなえなかったのは作品評価的に見ても痛手だ。

たしかに「おしまい」(最終回のエンドテロップ)だろうけれど、こういう煮え切らない終わり方は認めたくない。朝の連ドラなのに・・・。(★★★☆☆→★☆☆☆☆)