当方、あたらし物好きである。
「新商品」と聞くと、自分のカテゴリーの中で「試さないと」と思えるものはよほど高価でない限り買って試さないと気がすまない。

なので、今までカップめんの試食記でも新商品の比率が高かったのはそういうことか、と思っていただけると思う。何しろ、そういう新商品と思しきものは、すぐに棚から消える運命にあるからである。「残らない」から「買わないといけない」。そういう回路が出来上がっている。

しかし、「新たなカテゴリー」には、どうしてもチャレンジするのに二の足を踏む。「ハズレだったらどうしよう・・・」これである。現に、カップヌードルご飯もでていることは知っていたが、あえて手出ししていない。
とはいえ「味も想起でき、意外にうまいかもと思える」ならどうか・・・。ラーメンとは一線を画した「カレーライス」ならハズレは起こすまい。思った瞬間、この新商品は、かごの中に入っていた。

わくわくしながら蓋を開ける。入っていたのは、ちょうど炊いたご飯が、乾燥してしまいカラカラになった状態のご飯に、カレーのルーがちらほら。これで本当にカレーライスになんの?と思いつつ、水を入れて、指定どおりに調理。

いざ食べ始める。
問題はやはりご飯。とは言うものの、米粒を水→電子レンジで戻すやり方なので、芯というか、かたさが残って当たり前である。もう少し完成度というか、調理法にバラつきがあってもおいしくできるような工夫があると安心だ。
カレーのルーは、ちょっと量が過剰にすら感じられた。残念なことにルーとライスが渾然一体となって出来上がるので(こればっかりは仕様なのでどうしようもない)、特にそう感じてしまうのかもしれないが、やはりご飯はもう少しほしいところだ。

結論を言うと、特売価格・198円で食べられるカレーライスとしては、及第点である。いや、むしろカップめんよりすごいことだと思う。ただ、製品を掛け値なしで評価するとなると、ライスとルーの比率に問題があるし、又一食分としては少々物足りない。具材もあまりに小さくて存在感もない。レトルトカレーが100円前後/レンジご飯もほぼ同価格で売られている今日、一撃で調理できるくらいしか利点が見当たらない。

かといって、価格帯を上げて豪華にする理由も見当たらない。今後レンジDEご飯系の商品は次々出てくるだろうが、だれもやらなかったところに手を出す「進取の気性」は日清ならではだと思う。アッとは驚かなかったが、次には期待したいところである。<今回の評価 ライス B+ ルー B+ 量 B   総合 81点>