生死は紙一重である。
功なり名を残しても、命尽きれば、ただの骸である。また、何も残さなくても、骸だけは残る。生きてきた証としての死体の存在・・・死と隣り合わせの日常を考えるとき、時々耳にする訃報は、残されたわれわれに一種の寂寥感を去来させる。

永井一郎氏の死去は、急死であったことも災いしたが、その寂寥感/喪失感は抜け切れていない。そんな中、また一人の著名声優の死去のニュースが入ってきた。とはいえ、あつかいはかなり低調で、こんなところにも、芸能界の悲哀を感じずにはいられない。
あきやまるなさんの死亡に関するニュース。

主役を張れるほどの力量や芸歴がないと、芸能欄の扱いなんてたかが知れている。
ちなみに死因の「虚血性心不全」とは、ほぼ急性のもので、突然死に近かったものと推定される(最近は病名が詳細になっていく反面、分かりづらくなってきていることも事実)。

まだ59歳。とはいえ、活躍の場を後輩たちに奪われていた現実はいかんともしがたかったはずであり、晩年の作品の少なさは、美少女変身ものの常連だった往年の活躍ぶりをまったく反映していないところに哀愁が漂う。

死は避けられない。「そのとき」にどういう扱いがされるのか、私自身も人生の清算に立ち会った時にどういう結論がでるのか、恐ろしくなってしまった。故人の業績に深く感謝し、合掌。