8月も終わりに差し掛かっている。
当方は、おそらく9月初旬にまたしてもスクリーンの前に座ることが確定しているのだが、それは、あくまで、これまで見続けている作品の続編だから、という、一種の義務感からそうしているのであって、「え、あのアニメーションの実写化ですか!!それは見に行かないと」という動機からではない。

「ルパン三世」の実写化実現を初めて聞いた時、私の中には虚脱感しか感じ得なかった。どこにもいないキャラクター、卓越したガン技術、"斬鉄剣"という禁じ手、そしてグラマラスな美女にthe日本人な警部…それらすべてをまともに、具現化しようと思ったら、三次元ではどこかが必ず中途半端になるからである。
例えば不二子役の黒木メイサ。このキャスティングが一番意見の分かれたところだろうとは容易に察しが付く。スレンダーな美女だと、どうしても不二子とは認識できない。年齢的な部分で藤原紀香嬢を充てらなかったのは、製作者サイドの完全なる敗北である。
強いてあげるならば、主役の小栗旬演じるルパンは、コミックから抜け出たようなそっくりぶりを呈してはいるが、果たして、演技の点で、そっくりで終わってしまっているのではないか、いろいろ気にはなっていた。

そして迎えた8/28更新の「前田有一の超映画批評」。かくして、この「ルパン三世」は「今週のダメダメ」に分類され、その内容は…

         3点(100点満点)

を頂戴する、あの!!歴史的低得点で話題となったガッチャ男を下回る快挙を成し遂げたのである。
こちらが今回のルパン評。ここまで低評価なのは、おそらく今までのルパンワールドを蹂躙し、理解も何もなく映像化したと感じたところが大きいと思う。なお、調べてみると、前田氏の最低記録に『2点』があった。まあ2010年代で考えても最低クラスなのは間違いない。
それにしても…二次元→三次元で、成功した作品なんて、あるのだろうか?アメコミの世界はその例に当たるだろうが、例えばVFXがすごすぎて、物語なんてどうでもよくなる、勧善懲悪がはっきりしていて平易、という側面と「ヒーロー=強いアメリカ」をだぶらせる観客が多いせいもあるのだろう。スパイダーマンなんか、アメリカのアニメなんて、見られたものではないですしね。
ところが、日本の場合は、アニメーションが完成しすぎてしまっていて、三次元では再現不可能な事態になってしまうことが多い。そして、それを上回るべく映像化しようとして、ことごとく失敗している。国産なら悪魔男、ガッチャ男。ハリウッドですら、龍球や速度レーサーでとんでもないことになってしまったことは記憶に新しい。

小栗旬を見る映画か、と半分あきらめて座るつもりだったが、この点数は、確実に「金と時間を返せ」レベルと判断。ルパン視聴がピンポイントの世代である小生に、この評価は決してプラスになびくことはないとわかったと同時に、「やっぱり難しいよね」と思わずにはいられない。