すでに2回にわたって、今回、晴れて「イオン入り」する、関東と近畿圏のGMS店舗を様々な角度で解析してみたのだが、いろいろと見えてくること/わからないこともあるというのが実際である。

今回のイオンに屋号も塔屋も変更されるであろう店舗たちの顔ぶれを見ると、一つの「仮説」が見て取れる。
それは「ダイエーであるから黒字だった」店舗である。例えば、それは店コードなどからでもよくわかる。
京橋(0235)、戸塚(0238)は、開店からすでに40年近く。地元密着ですでに減価償却も終わり、売れば売るだけ利益が出る店舗である。同様につぶれず来てこれている、ダイエー発展期の店舗である、西宮(0315)や、吹田(0330)、金剛(0305)や南越谷(0326)が入っていることも見逃せない。
人口に対してオーバーストアでもない地区にある店舗である、東鷲宮(0378)や大月(0535)、古川橋駅前(0362)や藤原台(0442)も、やりようによっては利益も出せると踏んでのイオン移管とみられている。

すでに指摘している通り、利益/売り上げを両方取れている、巨艦店や基幹店を奪われることは想定外でもあった。碑文谷(0284)は、政府要人が視察に何度も訪れている、いわばダイエーの"顔"といってもいいくらいの店舗。東がここなら、西は、甲子園(0633)であるともいえ、去年も、ドミニカだったかのマンゴー?の店頭販売も大使を招いて行ったりしている。
ソースはこちら。ちなみに東で開催は横須賀(0425)であり、やはり、こういうイベントごとができる=余裕がある(店舗で自由にできるお金がある=企画も通る) ことの裏返しでもある。

つまり、今回移動する店舗の横顔をすらっと通り一遍でも眺めただけで「あ、イオンが、(イオンリテールの)利益対策でおいしい店舗だけかっさらおうとしている」と気が付いてしまうのである。
もちろん、ダイエーから切り離され資金が潤沢にあるイオンの手で生まれ変わっていくことは、店舗にとっては悪いことではない。ただ単にこの9月に移管されてしまう北海道と九州の店舗とは、扱いも御され方も違ってくるはずである。
そしてその先にあるのは「その利益を生む店舗で、ほかのリテール店舗の赤を相殺してほしい」という、完全に親の言いなりになってしまっている子会社に対する、無慈悲な"ノルマ"である。

ここに、イオンの焦燥を見て取るのである。そもそも、イオンはすでに、旧のニチイであるマイカルも飲みこんでおり、実際まだその"消化"が追い付いていないところに、全国でモールばかりをおったてる、拡大路線をひた走っている。それだけではなく、地場スーパーや、中四国でもM&Aを激しく展開、傘下に収まらずんば企業にあらず、的な買収や子会社化を進めてきている。
そのやり方にも限界が現れてきている。どこに行ってもイオン系、トップバリュ…。消費者の求めにむしろかい離していく売り場づくりしかできないから、GMSがそっぽを向かれているというのに、売り上げ重視、利益最優先でほかの企業の儲かっている店舗を横取りしないとやっていけない…。

今やリーディングカンパニーと言ってもいいイオンだが、所詮"岡田屋"が大きくなっただけ。しかももともとが寄り合い所帯だったJUSCOが発祥。ダイエーの拡大路線を鼻で笑っていたはずのイオンが、同じ轍を踏みつつあるとは、"歴史は繰り返す"のだろうか…