すでに、ファンをどこかに置き去りにし、「帰ってこれない向う岸」に行ってしまわれた某アニメーターについてはすでに書いた。

まだ救いがあることは、「彼自身はだれにも迷惑をかけていない/己の赴くままに行動している結果」が、左翼的であり、売国奴のそしりをまぬかれないというところだけである。私個人的に言っても「どうぞおやんなさい」くらいの感想しか思い浮かばず、もう、表舞台への復帰や、ご子息のこと・自身が大きくした会社のこともどうでもよくなった模様である。

彼の場合は、引退したも同然であり、その結果のヒダリマキ病なので「お薬、出しときますねぇ♪』で済むのだが、こと、自分の財布が痛むようなことになると、そうともいっていられないのである。
嘘のような、本当の話。この期に及んで、ディレクターズカット版があるとは、ネ…

実際、説明不足な部分が多すぎるきらいが、現在公開中の作品にはありすぎる。その点、「27分」相当の説明なり、凡庸であっても「当たり前にわからせるような仕立て」とかが見られる=余分と思われる部分をそぎ落とさずにつじつまが合う場面も多くみられる(多分に、短編の映像を挿入、も視野に入れている当方がいたりする)のは、願ったりかなったりである。

この舞台挨拶の中で図らずも筧氏は、「試写分と、現在公開分と、この3タイトルあるんですね」ということを暴露したわけだが、何度も引用している、あの評論家氏は、確実に試写分での評ということにもなる。ここに、ちょっとした齟齬というか、一般人が見たものとは違っている可能性を考えるとき、今回のディレクターズカット版は、大いに期待できる、、、、、、と、いっていいのかどうかはちょっと疑問符がつく。


結果的に我々は、この作品もみておかないと、正確な「監督の評価」にはつながらないわけだし、個人的にも、こんな程度で終わらせるとはとても思えない。とは言うものの、GWに鳴り物入りで公開したくせに口あんぐり、だったですけど、じ・つ・は、ディレクターズカット版があるから、又見に来てね♪ なんて虫が良すぎやしないだろうか…

すでにこの映画シリーズにダダはまりの人たちは、少なくともスクリーンに対して1万円以上投資している。もちろん、それに見合う映像を堪能できるから、という単純な理由もあって、大多数が「皆勤賞」ではないかと思うのである。そして、かなりブルーなGWを過ごした"同志"も多かろう。その傷が癒えぬこのさなかにこんな発表。製作者サイドの、かなり追いつめられた懐事情が見て取れる。「もう一本分はふんだくれる」・・・。とはいえ、今回ばっかりは、プロデューサーの吹く笛にほとんどの人は踊らないのではないかと思う。

そぎ落とし、形にしたものが私の評価で55点だった。ちょっと肉付けをしたところで、大幅に評価が上がるとはとても思えない。それでも、「彼なら、何とかしてくれるっ」…その期待を裏切らないものが見られるかどうか…私の中では、今度ばかりは「見えている地雷を踏んでしまいそう」で怖い。