最近の店舗訪問で気になる点がある。
それは、内外装にお金を使い始めていることである。

例えば、摂津富田店(0338)。総菜売り場は、いわゆる新基準店並みの、量り売りやらのバイキング形式が主流になっており、陳列場所も含めて相当の工数がかかったであろうことは確実。イオンに行ってしまう赤羽北本通り(0577)や、同じ耐震補強という名目で工事をしていた西台(0317)、この間神戸新聞にも載っていた、三宮駅前店(0622)の改装関連の内容も気になるところである。

さて、店舗のリニューアル公告(ニュースリリース)は、たいてい数日前が基準なのだが、今回の、赤羽店(0754)のリニューアルについては、直前だけではなく、約一か月も前の5月27日にも第一弾の公告が打たれていた。→証拠のニュースリリース。

そして今回のニュースリリースでは、PDFファイルにしての手の込んだ公告になっており、これでかなりの店舗概要がつかめることとなった。→PDFですのであえてリンクは張りません。ダイエー公式よりどうぞ。

さて、ダイエーとしては第一号店となる「フードスタイルストア」という新業態。実は、すでにいちかわコルトンプラザ(0401)で、検証を兼ねた0号店を出しており、その結果をフィードバッグしたのが実体化する、というのが正解であり、完全なる新業態/新規店舗ではない。ただ、今までの試みとは違うのは、「楽しみを提供する」という、一種のテーマパーク化したマーケットを作ろうというコンセプトが見え隠れしているところにある。

例えば、コンセプトの中にある、「お客さまとの会話を大切に、活気あふれる売場」をもうけるとした際に、必要になるのは、コミュニケーション能力のある、商品知識も豊富で、提案営業的な発言もできるような、百貨店並みのスキルを持った人材。果たして、まともに給料も出さず(小売業自体が全般的にそんなもの。従業員が薄給でどうして、楽しく接客できようか)、リストラの挙句に人員配置もうまく御せないダイエーで、そんなハードルの高いことをやってのけられるのだろうか?
そして、商品管理がとてつもなく難しいものばかりを取り扱うようで、そのあたりは不安材料でもある。とくに、イオンが強力に推し進めているはずのワイン関連食も、全国的に大成功しているというふうには見られない。むしろ、賞味期限の短いチーズなどは、入れたはいいが売れず見切って初めて動く、という感じにしか売れているようには見えない。ワイン自体の売れ方も疑問符が付くというのが実際である。それなのに、ちょっとブームとはいえ、日本酒や焼酎のラインアップも増やすのだという。やらないよりはやって方向性を見直すべきなのだろうが、意欲的過ぎて、総花的。売り込みたいものが何かわかりづらい売り場になりはしないかと危惧してやまない。

紹介文の最後はこう締めくくられている。
スーパーマーケットの先駆けとして、当社が長年培ってきた商品開発・調達力、食品加工技術、売場
づくりのノウハウを結集した『フードスタイルストア』は、お客さまの生活の変化に随時対応する新たな
業態として進化し続けることで、ダイエーは国内No.1の総合食品小売業を目指してまいります。


まあもう数年後には屋号もなくなるという会社の決意表明としては、「遅きに失した」と言わざるを得ない。その昔であれば、海外に視察に出て行ったCEOあたりが、「こんなん、やってみようヤ」の鶴の一声が現場を動かしただろうし、また、それが時代の一歩も二歩も先を行っていたから、斬新さが際立っていた。それが、周回遅れの、売り場提供になってしまう…。いかにダイエーが旧態依然とし、CEO亡きあとに、新業態や挑戦に及び腰になっていたのかを如実に示す事象としても明らかな点である(すでにFoodiumも、グルメシティとそんなに変わらない業容に変化。多店化展開ができてない時点でお察しである)。

確かに売り上げは取れるだろう。だが、それにかかる人件費や改装費用、「安いスーパーからの脱却」は、確実に低所得者層の支持を失うことにつながる。「よい品をどんどん安く」の創業の精神を捨ててまで、イオンに迎合する今のダイエーは、見ていて痛々しいばかりである。