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それにしても、である。
ハロウィンの風習が日本に普及し始めたのは、どんなに頑張っても、90年代。「Trick or  Treat」なんていうあいことばでこどもたちがおかしをねだりまくる、日本(特に関西)で言えば地蔵盆的なものであり、WIKIによると、ケルト人の祝祭に端を発しているのだという。
ところが、年々その勢力は増すばかり。特にハロウィンと親和性の高いお菓子業界がこれに目をつけ、様々な期間限定商品が発売。コスプレが一般的になっていく2000年代になると、仮装行列で楽しむ層が続出し、テーマパークでも同様の催しをすることで集客につなげるなど、楽しいこと好きで、無宗教な日本にはぴったりの"お祭り"になりつつある。

そして、関連商品の嵐はとうとうカップ麺業界にも到達してしまった。日清が出したのは、今回試食したブラックカレーうどんのほかにヌードル/ライス系/UFOと4品種もある。だが、外れにしか見えないカップヌードルのパンプキンポタージュ味に、イカスミ焼きそばはあっさりパス。リゾット系もあまり響かなかったので、シリーズものながらわずか1品種にとどまってしまった。
ふたには「グルメ魔女のおすすめ」と、気の利いたイラストもあり、そこそこ頑張ったのかな、を想起させてくれる。

というわけで実食。
麺はやや和風どん兵衛的とは言いにくい、やや扁平さの出ている麺。まあ、それでも悪いとは言い難い。
そして「魔女が作った」とされるスープだが、確かに黒いのだが、辛さは意外に感じない。むしろまろやかな感じさえする。ココナッツミルクが使われていることは原材料表記で分かったが、これがかなりいい味を出しているとみる。
だが、当方は逆のスタンスを取った。「エッジのきいていない、ぼんやりとした感覚」と受け取ったのだ。黒っぽくするということは、何らかの辛みや刺激を想起していたのだが(それこそハロウィンで、メーカーにいたずらされるかのような、びっくりする隠し味)、それがなかったことにがっかりしてしまったのだ。
具材はいつものカレーうどんから油揚げを差っ引いたもの。ここにこそ、揚げたカボチャでしょう、といいたかったが、そこまでは気が回らなかったか…。

企画ものであっても、そのたびごとにラインをいろいろ変えないといけないところなど、商品化のご苦労は察するに余りある。とはいうものの、ハロウィンとは縁もゆかりもないインスタントラーメン業界が、ブームに乗り遅れまじ、とばかりに嬉々として商品化するのは、なんかちょっと違うような気がする。
不味くはなかったが、再チャレンジや定番化を望むまでの完成度は残念ながらなかったとする。

 購入店舗 関西スーパー 大開店
 麺  3.3/5    スープ  2.9/5   具材  2.8/5  総合評価 76点