CMが、物議を醸しだす、ということは、毎年のように起こっている。
そして、それは、業界のトップメーカーであっても、プランナーや制作会社の不手際やタブーを犯したことなどが原因だったりすることの方が多い。
→カップ麺つながりで言えば、一番出稿もし、トラブルを巻き起こしているのが日清。「ラ王」の時の登山客立ち入り禁止事件とか、「カップヌードル」の少年兵がクローズアップされたものなど。ここ最近では、缶チューハイのCMにカエルが出てきて…というへんてこな理由が差し替えに至ったりもしている。ここでは、当該CMを張ったりしませんが、「放送禁止CM」などで検索をかけるとぞろぞろ出てきますので。

ところが、今回のスバル・フォレスターのCMは、演出手法が気に入らない、と一部の「鬼女」といわれる人たちから猛攻撃を受けているようなのだ。
→下記リンクにもCMは張られているようだが、YouTubeのcmはこちら。


CMは、冬なのにサーフィンを始めた夫に随伴する妻と小学生であろう息子。そして、何とか波に乗れるところをとらえた次の瞬間、画面は、後部座席で眠りこくっている親子をバックミラー越しに確認する、運転席の妻、という構図である。

この画像をもって、「趣味に没頭する夫の送り迎え役を妻がいやいやさせられている」という風に解釈できるとは、なかなかに素晴らしい。
そもそも、今のご時世、夫婦になったからといって、お互いのことを知ろうともしない、あるいは、まったく別の人格が、ただ子が鎹になっているだけという形ばかりの「つながり」でやっている世帯がどのくらいあるだろう。そう思うと、確かに早朝に夫のムリに付き合わされている妻氏かわいそう、という短絡的な見方もできる。
だが、彼が勝手に始めた趣味であり、家庭を巻き込む必要は全くといっていいほどない。それでも家族として『見守る』という立ち位置を選んだ妻と息子。帰りに運転するということも、今や女性がそれだけハンドルを握り、責任ある家庭の一端を担ってきている/今まではドライバーは男性が主だったが、むしろ女性に運転はさせられない、という御時世ではなくなっている、という意味合いもある、と考えるならば、「男尊女卑」とはとんでもない、浅薄な考え方といわざるを得ない。

このCMを、そういう、「虐げられている女性像」でしか見られないのは、確実に前時代的な、固定観念にとらわれている女性団体の妄言だろうと察しが付く。趣味が多様化し、それこそ、インドア派だった夫が急にアウトドア、それもサーフィンなんて言う、ちょっとワイルドで危険な趣味に走っていく姿を見ていられなくなってついて行っている/そして、運転することが女性であっても難なくこなせる車であることを主張するCMである=そこで男尊女卑にまで飛躍するのは、ドラマに没入しすぎである と私は考えているのだが、いかがだろうか?

→今回は、この記事をもとに書かせていただきました。サーフィンを趣味とする妻氏の反論。腑に落ちるものがあるし、正面切って論破されているのですかっとしました。