こういってはナンだが、いくらダイエーヲタの小生であっても、「財務資料を読み解く」というのは、慣れているわけでもなく、むしろ難しいと感じる部分でもある。
確かに株式投資をしていたころは、「バランスシートの重要性」は知っているし、貸借対照表という名の通り、借り方と貸し方がイコールになる、という基本中の基本から入ったりもしていたわけだが、今回の資料に書かれているのは、94年から98年2月期の決算からみる「比較損益計算書」というものである。4社合併、そして阪神淡路大震災、という、激動の、そして、転落の始まったダイエーの推移が見て取れる。

では順にみて行こう。
94年2月期の決算で、なんと単体でダイエーは2兆円越えの売上高を誇っていた(単体であり、九州ほぼ全部の店舗、旧忠実屋などの売り上げは入っていない)。しかも店舗数はわずか225店舗。それが翌年には売り上げはわずかに4000億ほどしか増えなかったが、店舗数は、一気に348まで伸長。景気がいいように感じられるが、見てもわかる通り、100店舗以上を増やしているのに、売り上げは、まったくといっていいほど伸びていなかったのだ。ちなみに、この95年2月期で阪神淡路大震災に関わる損害の一部を引き当てているため、連結利益は大幅赤字になっている。
ここからの凋落ぶりは見ていて気の毒になるくらいである。ピークを95年とすると、98年2月には、率にして97%。たった3パーセントの落ち込みだが、高にすると600億近くも減らしている。小型店が多かったという点はあるにせよ、一店舗平均売り上げは、合流前の94年(ほぼ90億)から、98年にはなんと64億近くまで減らす"惨状"に。2016年2月期にしても、合流してきたのがグルメシティ系なので、一店舗平均売り上げは40億台ではないかと思う。

そして、78ページには興味深い数字が並んでいる。当時のライバルであるジャスコ(www)とイトーヨーカドーの98年2月期決算の対比がそれである。
この年、ダイエーは単体で169億もの営業赤字を出したのだが、ライバル2社は黒字。ヨーカドーに至っては、548億もの大幅黒字になっている。
それにしても、今から17年ほど前の数字に愕然とせざるを得ない。

  売上高    ダイエー   2.4兆円     ジャスコ   1.2兆円   IY   1.5兆円。
  
それが今はどうだろう。ダイエーは、確実に店舗を減らし続けており、1兆円すら手が届かなくなっているはず(ユニーの後塵を拝しているとなると8000億程度とみる)。M&Aの成功事例でもある、イオンの場合、連結ながら7兆円規模にまで発展。IYは、コンビニが好調で7&iHDでなら、6兆円規模にまでなっている。勝ち組と負け組の様相がはっきりと見て取れる。
小売業で初の1兆円の売上高を達成したときに、CEOがぶち上げたのは、「昭和60年度 ダイエーグループ売上高目標! 4兆円」だった。当時の貨幣価値で考えても、荒唐無稽としか言いようのない目標だったわけだが(1兆円達成が昭和55年。わずか5年で、グループの総力を挙げたとしても4倍も伸びしろがある、と本気で思っていたかどうかは定かではない/ちなみに達成日は2月16日で、当時の店舗数が159店舗らしいので、一店舗あたり、60数億円を売り上げていたわけで、如何に今が「売れていないか」が如実につかめるというものである)、グループ全体で、この目標はとうとう超えることはできなかった。

歴史にタラレバは禁物、というが、下手なM&Aをせずに、本体だけで生き残ろうとしていたら、ここまで店舗網を減らす事態にまで至っていたかどうか。貧乏神を背負い込んでしまったダイエーの没落の歴史が、数字の上からも明らかになっているところは興味深い。

さて、11月で終わらせるつもりだったこの企画も12月にずれ込みそうな勢い(理由は、数タイトル前のブログをご覧ください)。だが、これからがメインイベントである、CEOの一問一答である。大風呂敷を広げる、中内節がどの程度だったのかなど、突っ込みどころはさぞかし満載だと思っている。