アベノミクス効果もあり、一部の正社員やそれに類する働き方では、賃金の上昇気配が感じられており、昨今の株価急落の影響が消費を冷え込ましかねないと危惧していたが、2/15の急反転で、一服付けた感じはする。

それでも、年功序列/賃金はほおっておいても上昇する/終身雇用と言った、往年の「サラリーマン最強伝説」は影を深め、それどころか、ワーキングプア/リストラ/中高年無職問題などが世の中を覆い尽くそうとしている。

自分の稼ぎは自分で、という時代から、「他人を使って上がりをせしめる」MLM(マルチレベルマーケティング)が全盛を極めた90年代、インターネット起業/情報商材販売が急成長してきた、21世紀初頭。そして現在は、「価値はあるだろうが、価格設定のおかしい」起業塾やシステムの販売と言った"スクール系"のビジネスの売り込みが半端なくなってきている。

胡散臭い「ワンクリックで即金」系もいまだに存在する、玉石混交の情報商材業界をのぞいてきている小生としても、その大半が参加(購入)→再現性に乏しく、詐欺同然/金額が割に合わず赤字で終了/初期投資が必要で参加以前の問題 と、まあ、全戦全敗のありさま。冷静に考えれば詐欺同然と分かってもいた、「パチンコ打ち子募集」(もちろんそのものずばりを謳っているわけがないが、セールスレターを読んですぐにピンときた/参加できても"クイズ"に合格しなければ実践できないという落とし穴付きで紛糾)も、全額購入代金の返還に成功はしたものの、あの無駄なメールのやり取りにはもう関わりたくない。

そういった、個人がやっている、詐欺同然の商材に紛れて、意外と多く目に付くのが、ここ最近の主流でもある、スクール系の商材である。もちろん、これで結果を出しているという報告が多く見受けられるので、これについては「詐欺」とか「再現性に乏しい」ということはできないと考えるのだが、内容/金額を明かさないまでも、高額(少なくとも10万円台は確実かと)であることに疑問を呈せざるを得ない。

支払い能力がないからこそ、「藁をもつかもう」とするのである。正直、余裕のある人はそういう情報には目もくれないし、知ろうともしない。「ア、またどうせシステムの売り込み(スクール)だから、めちゃ高いわ、やーめた」とする考えがどうしても出てきてしまう。

くず情報が数千円で薄利多売されてきた黎明期に比べて、ここ最近は、規模も価格も大きく出ている傾向がある。つまりは、それに伴うリターンもあると思われるのだが、そもそも、それができるのは「持っている」人である。運であり、当座の現金であり、在庫を持てる資金力であり、目の前の好機をとらえる嗅覚を備えている人である。

ないないづくしの小生にとって、いわば「ネットビジネス上流市民」ネタはやはり無縁。せいぜい、無料競馬情報で当たった/外れたで一喜一憂するのが性にあっているのかもしれない。