ようやく、都知事の椅子にしがみついていた人が職を辞した。
私から言わせれば、「ここまで悪あがきしたんだから、自民・公明ともども自滅すればいいのに」と冷ややかに見ていたわけだが、さすがに官邸筋も、支持母体の公明党からもきっちり"トカゲのしっぽ切り"にあった感じにも見られる。

だいたい、本人は自民党から抜け出して「新党改革」なる政党を作った人である。そういう信義にもとる人を擁立していたこと自体を自民党も公明党も反省するべきだろう。確かに「全焼」しなかったところで食い止めたものの、この時期では「半焼」くらいまでは広がったわけであり、ボヤやせめて消火器で消せるくらいの規模で処分できなかったところは、危機管理・任命責任の甘さを問われても仕方ない。

辞めたから、というわけではないのだが、なぜかこういう論調の記事が散見されるようになっている。
J-castニュースから。引用先はbiglobe

この記事が指し示すところは、タイトルとしては「疑惑追及はいじめである」と断言してしまっているところにある。

「『都知事はセコいので辞めさせます』では民主主義は成り立たないと思う」 談 大阪大学の菊池誠教授(物理学)
「いじめる側にまわらないといじめられる小学校の教室みたい」 談 コラムニストの小田嶋隆

疑惑を追及するのがいじめに映るのなら、今まで幾多のいじめが存在したことになる。すっからかんの外国人献金疑惑(そう。東日本大震災の日にそのネタが上がってきていた!!)に、どこぞの党の詐欺フェスト、自民だって古くて恐縮だがロッキードや、大臣クラスの金銭絡みの疑惑は組閣の度に出てきている印象すらある。
「セコい」からではなく、疑惑をまともに説明できていないことを我々は指摘し、怒っているわけであり、実際辞めたということは説明できない事案があるからに他ならない。「第三者ww」のお墨つきがあるのに辞めたということは、整合性が取れない。そして、いじめられたくらいで辞めるメンタルなら、最初から知事などするべきではなかったし、彼自身はいじめとは受け取っていないだろう。

疑惑追及を「いじめ」と断罪し、余計なこと・行き過ぎた追及をさせまいとする。この何かしら『予防線』が疑われるような記事を配信してしまう状況は、今後出てくるであろうどこかの誰かの「疑惑」はあそこまで追及しなくていいよ、という風に勘ぐってしまう。

あえて書かせてもらうが、今回いじめ的に映ったのは、知事の椅子にしがみつきたかった人が、説明責任を果たさなかったことが主要因であり、金銭面では決してない。道義的にアウトだから、「辞めていただくしかない」となっただけのことである。追及がいじめ扱いされるとは、誰も思っていなかったが、こういうアクロバット理論をかざして、さも正論でござい、と大見えを切る一部の識者wwwの見識を疑うレベルの記事であった。