引き続き、イオンにも存在する、店番号に関連した記述をしてみる。
ダイエーは、HP上でも、店番号の存在がわかるURL表示になっており、それは、一時期、FC店として存在していた、ミドリ各店であっても同じであった。

それは、ダイエーという会社を筆頭にして、3桁店舗コードで直営店は採番、2000台は本社組織、6000台からはFC/関連子会社店舗という具合に線引きをすることが可能なほどの規模でしかなかったという部分もある。
離合集散を足しげくしていた、ハイパーマート系の迷走ぶりを露呈していた90年代後半は、さすがに当方も情報収集には骨を折ったものだが(すでに会社員になっており、流通の第一線から退いていたこと/この時期こそ、ダイエーが一種の分岐点に差し掛かっていた)、これらが体系めいた法則に基づいて番号を振っていたこともあり、一店舗がわかれば類推して推定できるという利点があった。

ところが、イオンの場合は、かなり複雑である。そもそも、イオンも旧ジャスコ/旧ニチイ・旧サティ/旧ダイエーなど、名だたる店舗を展開してきた企業が一緒くたになっている。
イオン系の店舗コードに関連した著述がほぼ発見できないのは、体系的に整理されていないことがあること、会社の離合集散に伴う"統合"をあまり好まなかったことなどを挙げておきたい。

さて、例の「79D」がいったい何なのか、という答えなのだが、これについては、ようやく回答が得られそうである。そのヒントは、やはり「エフ」にあった。
まず旧ダイエー店舗→イオン化した店舗は、「イオンリテールストア」という、別組織に異動して、イオンリテールと同等ながら、旧ダイエー店として管理していることが明らかになった(ただしこれは本州の旧ダイエー店舗だけに限った話であり、北海道・九州では同様の管理体制になっていない)。
そして、店コードとは別にある「会社コードの存在」がエフからも読み取れるのである。
資料写真


写真は、恐らく統一のエフとみられる、ある商品の運搬用ケースに貼られていたものである。数字としては「0100」と「0727」が読み取れるわけだが、この「0100」こそ、会社コードと言えるものである。もちろん0100は直営店を示している。
そして手元にある旧竜野店(0273)の同様のエフには、会社名として「イオンリテールストア」、会社コードとして「7900」が印字されている(店名表記は「ASたつの」→イオンのA+ストアのSの略号を頭に付けている)。
これにて79の意味が分かったことになる。
つまり、現在のイオンの店舗コード管理体制は「会社コード4ケタ(ただし、実質的に頭2ケタのみが有効と思われる)+店舗コード4ケタ」であると断定できるのである。
<筆者注:実は、イオンとしての店舗総数は1万店を超えていないものの、店コードを5桁に拡張することがすでに決まっており→「イオン 店コード」で検索したら、システム屋さんのpdfをみつけた これが証拠、今後どういう風に印字されるのかは注目>

そして「旧ダイエー店とイオン店で同一の店コードが存在する」という事例も発見している。
イオンリテールに所属する「奈良店」と、イオンリテールストアに所属する「古川橋駅前店」は、どちらも店コードは0362。イオンの店舗検索HPでも古川橋の方はURL最後の表記が79D0362となっているため、「奈良とかぶるから店コード変更」という、旧来のダイエーならやっていたことをやらずに「コードを別に付与した方がいいんじゃね」スタイルで店舗の混同を避けているように思われる。

FAX受信した紙を裏紙利用して作った簡易式のエフでは、ズラリと店舗が記載されているのだが、この店コードの付与の仕方がなんとも不可解であり、ダイエーのような体系的なものを感じられない。(イオン○○となっていても、3桁だったり4ケタだったり。2000番台/3000番台/4000番台とバラエティに富み過ぎている)
それこそ、流通センターにでも出入りして、コード体系を解析しないといけないわけだが、そこまでの情熱を持ち続けることはもはや不可能である。
一弱小企業になってしまったダイエーなら可能な店コード解析。イオンでやらない/出来ない理由はここにある。