完全に「スイッチ」が入ってしまっている小生。
今まで、アニメーション評など、ここで公表するのもはばかられる、とばかりに、ほぼ一切触ってこなかったのだが、「君の名は。」の鑑賞以降、完全に何かが変わってしまった。

それまでは、オリジナルものであれば何とはなしに映画館に足を運んでいたものだったが、「千と千尋の神隠し」以来、本当にスクリーンの前に座ることをしなくなってしまった。テレビで放映することで、「サマーウォーズ」や「アニメ版の時かけ」などを見て「あ、細田氏ってなかなかやるな」程度には認識していても、スクリーンで見る、という行動までは至らなかった。それは、テレビでやっているコナンやワンピースなどの劇場版であっても同様である。

なので「君の名は。」を見ようと思わなければ、おそらくここまでの文筆活動が再燃することは無かったはずである。ブログにまでしたためることになるきっかけになったこの映画にはちょっぴり感謝したいところである。

さて、当方も長ぁい映画レビュー生活を過ごしてきているわけで、鑑賞本数は、子どものころまで入れれば50本近くにはなっているはずである。もちろん、この中には「テレビでしか見ていない劇場版」の本数は含んでいない(そんなことしたら、100本超は確実)。
その中で、当方のランキングを発表するということをするわけだが、元になっているのは、当方が1996年の「ノートルダムの鐘」を見た直後に作成した、「アニメーション映画 ザ・ベスト25」という記事である。ここには、一部、スクリーンでやっていなかった作品も含まれていることや、20年間の間に当然増えていることもあり、改めて、25作品を並べてみよう、という企画にすることにした。

 25位 さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅
 81年製。小生、まだガキでありますwwが、前作がテレビ版をトレスしていたのと違い、一層たくましくなった鉄郎の最後の旅というシチュエーションが当時の「てっちゃん」だった小生を奮い立たせてくれた。メーテルが降りてしまうラストも意外といえば意外だった。

 24位 ルパン三世 劇場版第一作
 ルパンにお熱だったころに鑑賞。クローン人間に対峙する、結構ハードボイルドなルパン像が描かれていたわけで、ストーリーも浮ついておらず、意外にしっかりしている。もっとも、「テレビ第一シリーズ」の色合いが濃かったところが大きいともいえる。

 23位 めぞん一刻 完結編
 確かに内容は悪くはない。大団円でもあった。だが、作画崩壊とまで言われてしまうほどの劣化ぶりを劇場で見ることになるとは当方も思わなかった。これまでの苦労や功績を無に帰してしまう作品なら、作らなかった方がましである。

 22位 超時空要塞マクロス 愛・覚えていますか
 も好評のうちに終了したシリーズの第一作目。ストーリーは、テレビ放送版とは少し違った道程を通るものの、とにかく今の「萌え」の起源を主張してもいいくらいの美麗な女性キャラの書き分けぶりには目を見張る。80年代、時代が変わりつつあった時期の作品である。

 21位 じゃリン子チエ
 完全なるテレビ放送版の総集編という立ち位置ながら、関西芸能人が声優として総出演した、異色作。レギュラー放送の時点で、テツは西川のりお、警官役は上方よしおと、当時の漫才ブームも後押ししたキャスティングだったことも幸いした。個別のエピソードでウルッときたりするから、侮れない。

 20位 アキラ
 「あー、お金かけたらここまでの映像が作れるんだぁー」と感じたのが一番。ただ、それにばかり目が行ってしまい、肝心のストーリーや内容/テーマなどに気が回らなかったところはある。完結せずにそのまま放置状態な部分も結構きつい。

 19位 タッチ 背番号のないエース(1作目)
 「かなしいぜ」の一言が、これほど骨身に染みた作品もまあない。「これは見たくなかった」と言いたくなってしまう結末だが、ここまで昇華できたところはすごい。単なる青春ドラマ/野球漫画とひとくくりにできない作品力がなせる業と言ってもいい。

 18位 うる星やつら オンリー・ユー
 まさに当方が「うる星やつら」に血道を上げていたころの作品。原作/テレビの設定を触ることなく、ゲストキャラ(恋敵の女性)を出してうまくストーリーを形成した。無理はなかったが、やはりしんみりとしたシーンも多く、「うる星」とは違う側面も。ラストの名作をオマージュしたシーンは傑出。

 17位 うる星やつら ビューティフル・ドリーマー
 「押井氏の趣味・嗜好」が前面に出た、異色作でもある。いまだに評価は二分され、当方はその世界観は納得しているところだが、善しとしない一定の層もいる。夜のシーンが多く、メガネの長台詞など、押井ワールドがそこかしこで展開される。渾身の一作でもあり、押井氏がうる星と縁を切る原因にもなった。

 16位 紅の豚
 そろそろっとジブリ系がランクイン。殿を務めるのはこの作品。この作品も含めて、ラストシーンで失敗している作品が多い。子どもが見るという点も踏まえて「想像してね」で終わらせるところは果たして親切と言えるのだろうか?総じて山谷が深くなかったところもポイント低い。

 15位 オネアミスの翼 王立宇宙軍
 一つのことに没入していく主人公の真摯な姿が胸を打つ。たまぁのアクションシーンなどもあり、意外に飽きさせなかった。ラストシーンに向かう中での、主人公の長台詞は、意外に感動するところ。それもこれも、主役・森本レオ氏の力量によるところが大きい。

 14位 耳をすませば
 純愛的な題材をジブリがやったら…そこが今作の視点でもあるのだが、特に後半の、猫のバロン絡みのお話は、のちの作品にもつながるというところ(猫の恩返し)はしてやられた。ラストシーンは納得のいく仕上げであり、読了感はかなりある。

 13位 千と千尋の神隠し
 私が評価すると、この位置より上には行きようがない。前半部分の畳みかける構成が、後半、一気にまったりとしてしまうところ。足並みがそろわないばかりか、後半からエンディングが納得いかない記述ばかり。ラストシーンの千尋の表情も不満なところだ。

 12位 もののけ姫
 しばらく製作を休んでの復帰作となった本作だが、実質、メガヒットメーカーとしての宮崎駿を確立する契機になった作品でもある。すべてのキャラクターが立っており、物語としての重厚さも損なっていない。全体的に重めのメッセージを含有するようになっていく過程の作品。

 11位 ルパン三世 カリオストロの城
 脂の乗り切る前の宮崎氏が、いわば「サラリーマン」として監督した作品が上位に位置していることに驚くが、この作品を越え得るルパンを描ける人がいるだろうか…クラリスとのツーショットは、アニメーション映画史上屈指の名演出である。

 10位 ターザン
 2000年公開。ディズニーアニメーションにもとんと縁がなくなりつつあるのだが、やはり人間主動型アニメーションをCGで作らせたら、右に出るものはいない。しっかりとした伏線の処理、平易なストーリー。それでいて感動させる手法のすごみ。まだまだやれる。

  9位 魔女の宅急便
 魔女見習の成長ぶりを追いつつ、淡い恋心も表現したところを大いに評価している。他人原作であり、当方も当初は危惧したのだが、前半の山谷、後半の「落ち込み」ぶりなどもうまく表現できている。ラストシーンの安直なあたりはやや減点。

  8位 ライオン・キング
 ミュージカル進行もイヤミに感じられない作品となるとなかなか少ないのだが、やはり動物が主人公ということもあり、この作品は、擬人化がちょっとしたオブラートになってくれている。大団円、はディズニーのお家芸でもあるが、そこに「死」がからむのはいかんともしがたい。

  7位 うる星やつら 完結編
 同時上映のもう一つの「完結編」とは違い、こちらは上位にランクイン。理由は簡単。作画の手の入れようも、脚本の凄さも、そして、ラストシーンの導出に至る経緯も、何もかもが「最終作」と呼ぶにふさわしいレベルで推移したからに他ならない。

  6位 ポカホンタス
 ディズニーアニメではこれが当方の中ではベスト。設定や男女が出会う状況などは、「ターザン」とよく似てはいるが、より人間味あふれるドラマが展開したのがこちらであり、手のしぐさを伏線としているところなどもポイント高い。もっと評価されてしかるべき。

  5位 おもひでぽろぽろ
 過去の記憶に縛られて生きていた主人公が、山形の風景と人々の純朴さに触れて心を解きほぐし、遂には恋を成就させる物語。本来であれば、こういう作品こそ、生身の人間で撮って世に問うてほしかったところである。

  4位 となりのトトロ
 後で紹介するが、当方の「永世名誉一位」に格上げになったあの作品と同時上映だった。あんな苛烈な生涯を送らざるを得なかったきょうだいとは真逆の天真爛漫な姉妹。彼らの屍の上に彼女たちがいると思うとき、素直に物語に没入できない部分もある。

  3位 風の谷のナウシカ
 「そのもの、蒼き衣をまといて金色の野に降り立つべし」・・この名文句を、あのおばばの口から聞くことができる。この瞬間をもってして、大のおとなを感動のるつぼに叩き落としてしまう。ナウシカの献身的な行動もさることながら、この一言を聞くための映画、と言っても過言ではない。

  2位 天空の城 ラピュタ
 「この一言を聞くための映画」という点では、この作品も負けてはいない。そう。「バルス」。しかし、そこに至るまでの経緯は古き良き時代の冒険活劇そのものであり、パズーの行動力の凄さには驚かされる。きっちりとエンディングまで向かったところも評価できる。

  1位 君の名は。
 2016年製作。新海誠監督。音楽と映像がお互いを高め合う手法は、今までどの作家も試してこなかったわけだが、この作品は、まさに一本のミュージカルを見るかのような錯覚に陥るほど、完成度が高い。ジブリ作品を駆逐していくさまは心地よかったし、今後もまだまだ伸びるだろうと推測する。

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  永世名誉一位  火垂るの墓
 某長嶋氏をヒントにさせてもらい、「一位であり続けてもらわないと困る」という観点から、新たに永世名誉一位というランクをもうけた。如何に「君の名は。」がすごくても、「僕は死んだ」で幕開ける強烈さを越えることはできない。救いのない結末がいいようのない無常感を増幅させる。