確かに亜流であるとはいえ、当方が「公開初日」に劇場に登場するシチュエーションは、幾多のアニメーション映画でもやったことのない初の行動である。この映画関連では、本当に当方史上初、の事柄が多い。

閑話休題。
結論から先に書かせていただく。

なんで最初っからやってくれなかったんだよ?!

オープニングの東宝のロゴがあまりにもきれいで、これだけでも「IMAXってすごいな」を実感できること請け合いである。
もちろん、本編は、光学的に見せる部分がより輝きを増し、赤は特により鮮明に(ご神体訪問のシーンが一段と際立って感じられた)、音響的な部分で言うと、クリアでかつ細部にまで音が拾われている感じが随所に感じられ、画面的に言うと、意外と見落としそうな、サイドに書かれている内容や記述がしっかりと目に入ってくるから面白い。特に新聞記事などが詳細に追うことができるレベルまで精細化ができているところは少しうなった。

画面のデジタルリマスタリングもそうだが、音響面での進化は、はっきり言ってすごいの一言だ。黒板のチョークの音、瀧の描く鉛筆のデッサン、チンピラのテーブルを蹴り上げる音。メリハリがあり、そのものずばりが浮き上がってくるからすごい。もちろん「セカンドインパクトw」の音もなかなかに迫力があった。

映像だけが精細化したとは言うものの、プラス500円の価値があるかどうか、は正直人によって意見は分かれるだろう。データ量としては、ほぼBDクラスのものがこのIMAXといえなくもないわけで、その美麗ぶりを先取りした、と考えれば、安い買い物と受け取れる人もいるだろう。
当方も「ストーリーはいじっているわけではないが、まるで別物」と感じてしまったのは偽らざるところである。ここまでブラッシュアップできる技術が諸外国には存在する…IT立国ではない日本が、映画産業が斜陽化しつつある日本だからこそ、金を稼げるシステムは外国頼みにならざるを得ないのだろう。

だが、リピーターだからこそ、このIMAX版の凄さがよくわかるのであり、IMAXで君縄デビューしてしまうと、通常版が限りなくしょぼく見える。
まさか「今から初見」という人はほぼいないと思われるが、そういう人ならなおのこと、通常版を見ていただいてからIMAXへランクアップしていただきたい。

ともかく参りました、の一言。公開当初からこの話があったのなら、もっといい映像作りにもなっていたはずだろうし、残念極まりない。だが、やはり初日に行ったのは正解だった。