劇場で本当に「いつか消えてなくなる」日をひしひしと感じつつ、3月も中盤を迎えている。
当方のこの作品における解析記事である『「君の名は。」を深掘る』も、よく書けて2タイトルくらいだろうと思っている。

とにもかくにも、このほぼ半年、ひとつの作品にここまで没入できたことに改めて感謝したい。それは、監督のみならず、演者や映像スタッフ、音楽担当のRADWIMPS/野田洋次郎氏などなど。この作品に関わったすべての人たちに御礼申し上げたい気持ちでいっぱいである。だからこその二桁鑑賞、といえなくもない。

さて、以前は、とある一人のブロガーの考え方に反旗を翻したり、ちょっとおかしいとDISったりもしたものだが、そんな後ろ向きの行動を起こさずとも、時系列がしっかりとまとまっている「君縄年表」を見つけてしまった。
これがそれ。出典/作成者などは現時点では不明なので、分かり次第正式にリンクを張らせてもらう。

今までの解析記事は、こういった外部資料にのっとって書いていないことは、最初から読んでいただいている方ならお気づきのことだと思う。逆に言うとこの年表が発見できたことで、自身の解析がどの程度正確なのかを補完する資料にはなりうると判断している。

というわけで、当方の「深掘る」記事と"答え合わせ"をしてみようと思う。ここは敬意を表して、年表に記載されている通りに見ていく。
・ご神体の形成時期(4)ご神体にまつわる二つの謎+(8)小ネタ集内の神社設立年次に関わる事項
この年表では、第一の落下でも湖ができた、としている。もちろんこれは小説の書き方に依っている。そして人が棲みつき、神社もできる。そしてそのあともう一度落下し、人が死に、丸い糸守湖ができた、というスタンスを取っている。
ではご神体の「岩のようなもの」は何なのだろうか?そして何より重要なのは、この年表での「第一の湖」がどこにも存在していないことにある。
と書いて少しだけ気になる描写が脳裏に浮かぶ。2016年10月22日にご神体を訪問した瀧は、腰まで水に浸かって「あの世」たるご神体に近づいている。そう。この年表で言うところの「第一の湖」こそ、このご神体ではないのか、という仮説である。
だが、これはやや苦しい説とせざるを得ない。言わずと知れたことだが、水は高いところから低いところに流れ、出口がない/排水能力が弱いと水たまりになり、大きくなると池や湖になっていく。クレーターのようになっているから、一度入った水は、地中に沁み込む以外はたまっていっただろうと判断できるが、この「ご神体=第一の湖」ができるほどの水量がどこからも発生しえないというところが残念な結果をもたらすのである。
もちろん、この年表によるところの紀元前400年あたりに何らかの別の天変地異のおかげでご神体のあった窪地は湖化したことは考えようによってはあり得る。
いずれにしても、「2回過去に落ち、2013年が3回目」という事実は変えようがない。またこの年表では「すべてティアマト彗星による仕業」で片づけているが、記事にもしたように「そんな奴おれへんやろぅ」と言いたくなるのは間違いない。
検証結果:△(第一の落下でも湖ができていたことをどう判断するかによりけり)
・序盤の日付の考え方(1)序盤から噴出する謎に迫る
これは、当方が一番最初に考えていた「9月5日が同時に入れ替わりの始まった日」という見方を覆させられた(5回目鑑賞時) 証拠でもあり、これだけをもってしても、こういった外部資料を参照せずに記事を書いていたことがうかがい知れるというものである。
結果的にこの年表とは整合性が取れていることにもなるわけだが、ここに至るまで当方は結構時間がかかってしまったのは少しだけ残念でもあった。
検証結果:×→○(同一日付という概念があったので、序盤の進ませ方がおかしいと途中で気が付く)
・ご神体での奉納日(3)「10月2日」を俯瞰する
曜日一致で考えると、どうしても9月の訪問になってしまう「ご神体」へ向かった日付。この年表はズバリ、2013年10月2日に行ったことになっている。
「学校休んでまで?!」ということもあるのだが、皆さんにだって「休まないと仕方ない行事」というものは存在するはずである。まして、神職。この日がどうしても奉納日であると設定されていたなら仕方のないことだと思う。
ただ、問題は、翌日がデートの日付けになっている=平日な点。当方は、デートが日曜日に設定されていると信じて疑わなかったので、同一日付移行に軸足を振っていたが、「翌日デート説」に転向する。ただし、「それは夢の中の出来事」という都合のいい解釈あればこそ。
検証結果:△(同一日付移行説を断念。デートは10/3だが、休日っぽい描写=夢の中、という都合の良さを採用)
・飛騨探訪の日付(7)飛騨旅行の日程はこれで決まり
もちろん、状況証拠からだけであり、いわゆる「駅弁の日付」というミス項目や、宿で瀧が三葉の残した、スマフォアプリ上の日記を確認する際に一瞬出てくる日付との整合性は取りようがない。
だが、2泊3日/金土日の旅程であることは確かであり、高木の動画日付がそれを確定させるにふさわしい。
検証結果:◎(当初からこの結論を動かしたことは無い。独自検証で導いたところは自慢してもいい)

細かい時間に関するところもいろいろ書かれていて、読んでいてためにもなる。
まず第一弾はここまで。次は「気になる点」をいろいろと書いていくことにする。