都内二店舗をあっさり終わらせ、新宿から東京に向かう。
期間限定の駅ナカ「君縄」ショップの存在も知っていたのだが、オープンしているタイミングでの訪問はならず、外観を撮るにとどまる。
東京駅


せっかくなのでグリーン車での旅行としゃれ込みたかったが、pasmoがチャージ後不具合発生でやむなく断念。それでも、途中駅からは座れるタイミングもあり、まずは第一目的地、というか、この列車の終着駅でもある熱海を目ざす。
熱海からは2駅の三島に。三島といえば、私には意外と関わりの多い駅。ダイビングショップからのピックアップを受けるのがここだったりもするので、また、WILLERの静岡-大阪便の発終点でもあるので、勝手のわからない場所でもない。
しかも、北口と南口は駅ナカに自由通路がないので、間違えて南に降りてしまうとかなり遠回りにガードをくぐらないといけないのだが、北口に降り立てば、なんと線路沿いを道なりで歩くと大岡信ことば館に到着できてしまう。場所を確認したときに「ここだったのか?!」となったのは言うまでもない。

三島新海展01

三島新海展02

三島新海展03


館内撮影はご法度なので、一切の手荷物をフロントに預けて観覧する。
さて、観た結果はどうだったか…
 感動などという二文字では言い表せない。 
ひとつの作品を作る。我々は完成品しか目にしないし、途上がどうであるとかを知ることは出来ないわけだが、こうやってプロセスが明らかにされると、あの映像の裏側に、これほど血のにじむような葛藤とせめぎあいがあることを知らされる。我々が感動できる物語は、そんな簡単に生み出されるものではないことを知るだけで、一層新海氏の人となりに近づけたような気がする。
館内では、印象的に使われた楽曲がエンドレスで流されている。もちろん、君縄の4曲もそうである。もはや私の3大アニメ映画のベストシーンだと思える、あの「カタワレ時」の邂逅の場面。BGMもさることながら、泣きそうになるのを必死にこらえる。
背景芸術といえる氏の妥協を許さない美麗ぶりは、ほかの作品でも顕著に表現されている。特に「言の葉の庭」は、雨のシーンの、どきっとするような透明感が印象的だった。

作品がきれいなのは、新海氏の中では、デフォルトなのだと思う。今回の「君の名は。」で、作家性を極力前面に押し出さず、音楽と映像のシンクロ度を高めると、人は感動できるという成功の方程式を手に入れただけで、次回作にも期待が持てる。今回の君縄のヒットが氏に、会社に、いい影響をもたらすことを祈念せずにはいられない。