「響け!ユーフォニアム」の鑑賞が終わったので、ここまでの新たな当方の映画ランキングを発表することにする。
前回同様、25位まで発表するが、今回は、ランキングに登場できたのは鑑賞10タイトル中8タイトル。短編過ぎる「言の葉の庭」と、安定の「メアリ」さんはこのランキングには絡みそうもない。
今年のランクイン作品には囲みを施してある。

 25位 うる星やつら オンリー・ユー
 最後の結婚式の場面は、このアニメーションの幾多の名シーンの中でも群を抜く傑作。最終最後をドタバタで〆たところは立つ鳥跡を濁したが…
 24位 うる星やつら ビューティフル・ドリーマー
 「文化祭の前日」を繰り返すファミリー。夜のシーンのぞくっとするような描写は、まさに押井節。この作品に関わった(評論として)ことが後の文筆活動にも影響している。
 23位 紅の豚
 「飛べない豚は、ただの豚だ」・・・はい。その通り。豚顔にしていく過程や、「その後」をもう少ししっかり描いてくれれば、ランクはも少し上なんだろうけど。
 22位 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
 映像面の成功と、ストーリーの破たんぶり。あまりにアンバランスすぎる面が大きい。いかにもシャフトらしく、いかにも新房らしい。いい加減ぐうの音も言えないような作品に出会いたい。
 21位 夜明け告げるル―のうた
 ただひたすら残念なのは、人間同士の対立を書きすぎたこと。人魚に対する理解者の声が小さかったのがなんとも悔やまれる。もうひと押しだった。
 20位 耳をすませば
 近藤善文監督作品にして遺作…。亡くなったと聞いたときの当方の衝撃は忘れられない。ジブリが生み、ジブリが殺した秀才の作品はいまだに輝きを放っている。
 19位 千と千尋の神隠し
 いくら日本の興行成績トップを標榜していても、日本全国にトラウマクラスの感動を植え付けたわけではない。それは要するにそういうことだということだ。
 18位 夜は短し歩けよ乙女
 ぶっちゃけ、「千と千尋」より上の作品は誇っていいと思う。特にノンストップで描き切り、星野源の声優としての才能まで開花させたのだから、この監督おそるべし、だ。
 17位 この世界の片隅に
 すずさん=のん ののほほんな演技がやはりツボ。とはいえ、銃後の世界がこんなにまったりしていいはずがない。呉だったから、というのは考え過ぎか?
 16位 もののけ姫
 ダークファンタジーといえるこの手の重厚な作品が宮崎氏の手で作られることに驚愕した。ただただ重たい空気が占めている作風はもう受け入れられないだろう。
 15位 ルパン三世 カリオストロの城
 人間・ルパン三世を描けた監督は正直宮崎氏しかいない。手に汗握るスピード感にジェットコースター感。すべてが融合し、バランスよく成り立っている。
 14位 ターザン
 ディズニー映画は、意外に多くは見ていないのだが、この作品の丁寧さと、ミュージカルスタイルの落ち着きぶりは特筆ものである。
 13位 モアナと伝説の海
 2017年のディズニー作はここにランクイン。外洋に出帆するところで思わず涙が出そうになったが、こういうスパイスを使わせたら、なかなかなものである。
 12位 魔女の宅急便
 某スタジオ第一作はものの見事に撃沈したが、キキの成長物語がストーリーとして成立しているところは認めざるを得ない。
 11位 ライオン・キング
 百獣の王・ライオンのさらに王の物語。ミュージカルにもなるだけあって、その構成もストーリー建ても、何もかもが圧巻。
 10位 うる星やつら 完結編
 最後、走るあたるがクローズアップされる。このシーンは当方も感動してしまったシーン。この作品で自身も〆られたことは僥倖だ。
  9位 ポカホンタス
 ディズニー系/恋愛がからむ作品では、これを上げたい。ちなみに「美女と野獣」はテレビ放送しか見ていないのでランクインしていない。
  8位 響け!ユーフォニアム(2017/秋公開分)
 ユーフォニアム奏者二人の先輩後輩が織りなす人間模様。単なる学園ものという敷居を飛び越え、演奏が、合奏が、団結が彼らを大人にさせていく。久美子の怒鳴りは胸に突き刺さる。
  7位 おもひでぽろぽろ
 今井美樹と柳葉敏郎。このクラスの俳優さんを使うなら、作劇的な失敗はほぼなくなる。とはいえ、彼らの恋愛は、昭和のそれ。今見ると古臭さは否めない。
  6位 きみの声をとどけたい
 2017年の夏アニメーションでは、文句なしの筆頭。無駄に著名俳優使うより、声質にあった作画をすることで絶妙のマッチングができた。これが大きい。新しい製作手法だ。
  5位 となりのトトロ
 さつきとメイの姉妹の天真爛漫な姿を見るだけで、心が癒される名作。ファンタジーの金字塔でもあるわけだが、公開当初の案外な評価・成績は何だったのか?
  4位 ノーゲーム・ノーライフ ゼロ
 2017年アニメーションではこの作品をトップにあげる。予想していなかった恋愛ストーリー。前日譚なのに泣かされる。そんな展開を想起できなかった私の負けだ。
  3位 風の谷のナウシカ
 言い伝えが大きな伏線になる。私はそこに至った時、感動の涙を禁じ得なかった。ここまで上質なストーリー建てができる人だったわけである。
  2位 天空の城 ラピュタ
 「バルス」を聞くためだけの映画、となってしまっている昨今だが、宮崎流の冒険活劇はこうだ、と言わしめた一作。平易ながら、ノンストップ振りも評価高い。
  1位 君の名は。
 「登場人物が歌わないミュージカル」・・・。感情のコントロールを曲でなし遂げるという高等技法は、野田洋次郎という手練れだからできた芸当。だからこそ奇跡は起きたのだ。

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  永世名誉一位  火垂るの墓
 「僕は死んだ」で幕開けるアニメーション映画なんか、あっただろうか?それだけで打ちのめされ、彼らの健気さにまた涙する。非戦闘員だからこそ味わった悲哀が胸を揺さぶり続ける。