2017年9月1日。
実は、去年の10月1日に負けずとも劣らない「特別な記念日」となった。
「きみの声をとどけたい」の初見日であり、そしてこの日からこの映画のことが気になって仕方ないという日々を送り始めてしまったのである。

理由はごく当たり前。公開初週であり、9月1日のサービスデーくらい入ってくれないと、後で稼ぎようもない弱小アニメーション映画。それなのに…わずか14人という惨状。「あーあ、こいつもハズレなんじゃないの…」

だが、その不安は主人公の歌う、澄んだ歌声と、うまいタイトルバックで一気に払しょく。大きな山谷がないようで、意外と個々人の感情の起伏が描かれているという、ストーリーだけを上滑りすると見逃がしやすい作劇が展開される。そしてクライマックス。過剰に映ったところは差っ引くとしても、それが奇跡になり、主人公の想いもそこに体現する。ベタなのに、普通の演出なのに、感動してしまう・・・言葉の、楽曲の力というものをまざまざと思い知る。

   「それなのに…この映画はぁぁぁ」 (瀧三 声を揃える)


そして初見から2日後にエンディングを購入。製作協力もしているJOYSOUNDで配信されていたエンディングを全国採点で全国初挑戦(記事作成時点の9/8でも私一人だけwww→9/10確認したところ、おおお、4人に増えてる)。さらに一週間たたずに2回目を鑑賞するという事態にまで発展してしまっている。これは正直異常事態である。

9/1→9/7。7日ぶり鑑賞・二回目。二回目は君縄の一か月後、ノゲノラの1か月越え、キミスイの10日目を越え、記録達成。いや、これはむしろ、記録うんぬんより、入れ込みの悪さを何とかしたいという思いから。実際、正装でスクリーンに対峙せず、平服で久しぶりの鑑賞となった。
観客は見事に8人!! 全員のパーソナリティーが記録できるほどで唖然とする。だが…そこには正直本来見てもらいたいはずの中高生も、20代前半の層も存在しない。おっさん/おばはんしか対峙していない。最後列に陣取っていたのは初老のそこそこ正装の男性。私の前の列は推定40代前半の女性。予告のさなかに入ってきたカップルも、30代後半の明らかに夫婦だった。平均年齢は40代前半。ここまで主観客層とかい離しているのであれば、入ってくるはずがない。

平易なストーリー、山谷の薄い展開。高2なのに、コイバナがあるわけでなし、むしろ男の存在がほぼなかった部分は、物足りなく映った部分かもしれない。だが、6人がお互いの長所を持ち寄って作り上げたストーリーは、本当のクライマックスで花開く。
最終盤はやや駆け足になってしまったわけだし、主役一人だけの描写にしてしまったのも少しだけもったいない。だが、名曲「キボウノカケラ」が最後に前向きにさせてくれ、感動をきれいに精算してくれる。

「言霊」をキーワードにしたところは企画側の勝利、のはずだった。だが、結果的に入ってくれない。これはやはり、製作者側の姿勢の問題ではないか、と思うようになってきた。次の記事ではここに言及してみる。