サウンドトラックを購入してからの当方に、新たな病名が追加された。
そう。
RADWIMPS病に続いて罹患したのが、「Wishes Come True」病である。
ピアノソロが聞こえてくるだけで、瀧の心情が思い浮かび、感情を押さえられない「スパークル」と同様に、最初で最後の歌唱披露となった、8月31日の特別ステージ。涙ながらに歌う紫音の迫真の演技にも感動の涙を禁じ得ない部分である。

実は歌詞にかなりしてやられているのである。前回の鑑賞記でも書いているが、一番は、どちらかというと、かえでと夕のすれ違いを歌詞にしたように感じられるし、2番はまんま、紫音のための歌詞といっても間違いない。
幼馴染なのに屈折した思いで過ごしてきているかえでと夕、そして、陰の主役たる紫音。最後にすべてが収束していく見事なまでの作劇。それを彩る楽曲。べたべただがそれゆえ感情を持っていかれてしまう。滂沱の落涙を禁じ得ないのである。

8日ぶり5回目。だが、もはや末期症状を呈している観客数は如何ともしがたい。こうやってブログにしたためている鑑賞記録の中でも、突出して少ないと感じられる記録はパトレイバーの短編系で顕著だが、これは長編のための露払い&安目で見られたから、正直しっかりカウントしてこなかった。
そして今までの最低記録は「ルーのうた」の6人。そして今回、連休中日の日曜日であるにもかかわらず、

                 3   人
しかスクリーンに対峙しなかったのである。一応長編/正規価格の作品の中では最低記録を更新してしまった。今日は、長野での飯野嬢による舞台挨拶(ちょっと遅いのはなんでだろ?)に、今日からスタートの吉祥寺オデオンでのスタッフ連によるゲリラ鑑賞などもあって、界隈は大騒ぎ。だが、結果的に関西以西は蚊帳の外という状態に置かれてしまった。

観客動員が一向に伸びない。作風や宣伝効果を考えれば、この程度なのも仕方ないと思う。それでも、どこかで爆発することは無いだろうか。人がいないのをいいことに、完全に自我崩壊に至るあのシーン。もはや「君の名は。」をも超えてしまったか、と思えるような脚本。そのどれもが、実にいとおしい。
私の中では、更なる上積みすら想起されるような作品になっている。それでも観てくれないことには始まらない。もっとも『そんなにいいんなら』となったとしても見られる場所は限られる。これではいかに応援しようとも無理な相談である。

作品に触れて一か月余り。「君の名は。」ほどではないにしても、心に憑りついて離れない作品の一つに昇格したことはすごいことだと思う。