2012年のアニメーション放送以来、2015年の劇場版が、いまだに随所で上映され続けている「ガールズアンドパンツァー」略して「ガルパン」。

なんと、最終章第一話から入っていくという、ガルパンおじさんに至る経緯としてはいたって普通じゃない経路をたどっている当方。実際、一話しか見ていなかったTVシリーズをHDDの中から発掘し視聴をして、「これはおそるべし」となったし、マサラ上映をやってのけた塚口の盛況&ファンたちの真摯ぶりに感動すら湧き上がってくる始末。当方の中でも、この作品シリーズは、思い入れはそこまではないものの、「そこに至る現象とはなんであるか」を突き詰めていきたい心境にとらわれている。

TVシリーズ開始早々から、沸騰したわけではないはずのガルパン。今や日本のアニメ業界の中でも、特殊な位置づけになっているはずの本作が売れた要因を解析しようとするサイトは数多く見られる。
→いっぱい同様の記事があるではないか!! 例えばオリコンMANTANWEBなどもある。極めつけは、製作者たちのインタビューを収録した本が発売されていること。→それがこちら。amazonサイトより

そこまで盛り上がっていたはずなのに、当方はスルーしてしまっていた。そこに見え隠れするのは、「あっちの世界の出来事だし」という、冷めた感情だった。決して死なない、むしろ「遊び」のような感覚でしかない戦車道というものにむしろ嫌悪感を抱いていた側面も否定できない。
しかし、だからこそ支持されているのではないか、とも思えるようになってきたのが最近の当方の感情である。だって、戦闘の度に死んでいたら、ライバルとの友情もその後の展開も、難しくなってしまう。大洗が常勝であり続けるという無理筋な展開だったとしたら、それこそ、白けてここまでヒットすることもなかったのではないかと思う。躓き、落ち込む西住殿だからこそ、彼女を応援したくなっていったわけだし、仲間想いの彼女のひたむきさに"惚れて"しまう人が続出したのだろうと思う。

塚口流戦車道2018は、3/30の「ガールズアンドパンツァー 最終章第一話」の上映を持っていったん終了する。当方は、勇躍最終上映回を押さえて万全の体制をひく。地下の待合は、ややむさくるしい男だらけの展開。もぎり場につくとそこも拗らせたガルパンおじさんだらけというありさま。上映完了時に振り返ったが、女性は皆無。それどころか、私より年上が散見、というレベルを超え、そこそこに発見できるありさま。40代前半を平均年齢とするが、45と断言してもいいくらいの年齢層の高さに驚愕する。60人弱でスクリーンに対峙する。

この最終章第一話が、大洗のピンチの場面で幕開けるというのは、今後を示唆しているようで感慨深い。もちろん、BC自由学園を撃破していく流れに第2話はなっていくだろうことは想像に難くないが、策を弄するBCのあがきや策略の応酬がどのようになるのか、見ものであり、期待している私がいる。
そう。どっぷりとまでには十分余裕があるが、じわじわとガルパン沼に浸食されつつある私がいる。結果はどうあれ、今後に期待の持てるエンドロールになっていることはただ一言、凄いとしか言いようがない。

音響で見させられる映画。鎮座する巨大ウーハーの音圧にしてやられる。しかし、そこに特化し、臨場感を味わう映画は、そんなに多くないはずだ。まして、アニメーション映画ともなると、本数は限られてくるはずである。映画館でしか味わえない環境・雰囲気がリピーターを呼び、更なる新規客も取り込んでいく。だから、息の長い興行も可能になるのだろう。
半数程度がエンドロール直後のタイトルアップあたりから拍手。しかし、本当によく訓練されているとさえ思う。「君の名は。」では40回あまり見てはいるが、拍手を聞けたのはほんの数回である。「リメンバー・ミー」ですら聞けたのに…。そして、私もその一人になる。物足りない時間よりも満足度の方が上回ってしまう。
初見は90点。上積みはとりあえずなしとしたが、この作品シリーズが、今後の当方のベンチマークになりそうな気配はする。