映画にもピンからキリまである。評価がぼろくそなのに興収だけは上げられる棚ぼた的な作品は意外と少数派で、良作なのに知られない/見られないで終わっていく作品の方がありすぎて困ってしまう(もちろん、評価も興収もダメダメの作品もそれに倍するだけあるわけで、ちょっとだけバランスは取れている)。

「きみの声をとどけたい」も、遂に京都・出町座での4/13の上映を持って完了したとみられ、以後、よほどのことがない限り、スクリーンで復活はありえないのではないかと思う(どこぞの劇場のように、京アニ三部作上映をやってのけたところ、とかね。塚口さん、出番ですよwwwww)。

それはそれでも仕方ない。ここまでのプロジェクトの集大成であり、成果物の一つと言える劇場版で、大失敗と言える結果になってしまったことをどう判断(反省/悔悟)しているのかが知りたいところである。

その解答の一端を、ツイ民たる「マリア万歳」氏との、トロワシャンブルでのオフ会で見出すことができた。
すでに紹介したとおり、「キミコエ界のキチ縄」状態な氏。さらに、業界内部にもいっちょ噛みしている経験が様々な知見となってあふれ出てくる。「濃密な」と書いたのは、そう言ったことからである。

もちろん、全てが頭の中に入っていくわけではない。門外漢・未経験のことも意外に多く語られており、ついていくのがやっとという状態。だが、キミコエのヒットに関わる部分では、氏との意見の一致を見る。
それは「広告宣伝の失敗」という点である。先だってのライブでも、まだ映画やっているといった宣伝をだれもやっていないことをズバリと指摘し(メンバーも何とかちょっとは発言していたようにも思うが、自分たちのデビュー映画なのに、力強く言っている風には感じられなかった)、「ああ、なるほどねぇ」と感じ入らせてしまった。
公開末期とはいえ、それこそトリウッドを満員札止めにさせるほどの頭数は来ているのだから、実際の映像でこの曲がどう使われているのかとか、映像の対比がまだできる(ライブの後に映画上映、は、初見層を拾えるという配慮もあったか?)タイミング。一人でも多く見てもらおうというのなら、その場での発表があってもしかるべしである。チラシ配りもやっておくべきでは、との氏の指摘は私もひざを打った。

結局のところ、広報が最大の原因と考えている人は結構多いはずだ。特にマイシネコンで上映していたにもかかわらず、公開以前に予告を一度も見たことがなかった(8末公開で7月くらいからやっていても不思議ではないはずなのにそれがなかったのは不思議→調べたら、7月はTOHO系に足しげく通っており、行ってなかったみたいだが、6月は行ってる。ポスターとかもそれほど貼ってなかったような…)。こんなんでは、見ようと思う人が少なくて当然である。
GYAO!での配信が、円盤発売前の4月25日から行われる。今までのことを考えると、これで流れが変わるなどとはこれっぽッチも思っていないのだが、この良作が、なぜヒットしなかったのか、は当方の永遠の課題にしていきたいと思う。