またしてもやってきた、月に一度の映画サービスデー。
すでに既報の通り、2016年10月から、一度も欠かさずこの日には劇場に足を運んでいる。

実際、当方のブログの記事の比率もおかしなことになりつつある。月に10回ほどスクリーンの前に座るので記事もそれなりにしたためられる。事実、6月にだけ限定してみても、映画系10タイトルに即席麺3タイトル。総計16本の記事のうち6割近くを映画評や関連記事が埋めたことになる。
2年前・・・2016年6月はどうだったか?参議院議員選挙絡みのネタで下書き状態の記事を別にしても12本。もちろん映画のネタは一本もない。去年の6月は、「君の名は。」を観に行ったT・ジョイ京都訪問の一本だけになっている。

様々なジャンルの映画に手を伸ばし始めたのは2017年の後半から。その第一弾といえた「メアリと魔女の花」「打ち上げ花火()」のがっかりぶりと、「きみの声をとどけたい」の傑作ぶりを目の当たりにして『評価・興収ではない、見落とすことの可能性』に気がついてから一気にスクリーンに憑りつかれたのだといっていい。
その中にあって「これは」と思えたのが「リズと青い鳥」である。リズと青い鳥、という架空の童話と、北宇治の二人…希美とみぞれの関係性にクローズアップさせるという一種スピンオフと言ってもいい内容。だが、二人の関係性がここまで赤裸々に描かれるとは思っていなかった。

7月になって、この名作を塚口サンサン劇場がかけるという。当初6/29の初日から行こうと思ったが、サービスデーたる一日に行けば格安で見られる。なので二日我慢した。果たして、仕事は結構押してしまい、劇場到着がまさに開演間近。穴場に突撃すると、この時点でほぼ満席、という偉業が映し出される。正確には120名超という大盛況。あの「君縄」の当該劇場の最終回ですら、ここまでの入れ込みはなかった。
かなり高年齢層を拾っていると実感できる場内(もっとも、終演後の確認レベル)。平均は40代後半にする。本来であれば、20~30台がもっと来ていて当然といえるのだが、この作品にぴっちりはまっているのがこの年代なのだろう。女性陣は1割程度で圧倒的に男性優位であった。

5回目、ともなると、ストーリーの漏れや欠け、謎もほぼ消え失せる。ただ、みぞれの独白の一部に「どうしてそれを言うことになったのか」をうかがわせるものがある。「本番なんて一生来なくていい」は、本番を終えてしまうと離別が決定的になるからだ、と思いたいのだが、その解釈でいいのか、どうか。「君の名は。」の場合は、あまりに心情描写は単純すぎて、回答はすぐさま得られるのだが、この作品は、自分勝手に動くと(みぞれに)思われている希美と、彼女を溺愛するみぞれの真剣勝負であり、深層にまで思いを巡らさなくてはならず、そこまでやっても正解は導けるわけではない。
だから、彼女たちのひりひりするような対峙であるとか、ハグを所望するみぞれを無視するシーンとか。とにかく恐ろしいばかりの情報を次々に提示する。極めつけは、オーボエで泣かしにかかる「第三楽章の通しけいこ」シークエンスだ。

すでにブログで細部にわたる解析をなさっておられる方もいる。→デジモノに埋もれる日々さんのブログ(直リンです)。もっとも希美目線なんで、乖離する人もいるだろうから、閲覧には細心の注意が必要です、ハイ。
それでも、この作品のすべてを丸裸にできているとは思えない。二人の関係性がどこに着地するのが正解か…いや、正解などないかもしれない。途中で、自分の立ち位置が理解できて、あの鬼気迫る演奏が生まれたのだから。

君縄45回、キミコエ9回、それに次ぐ5回目の鑑賞。私の中でも、この作品の特異さは抜きんでている。今後の賞レースなどでも一躍注目されるところになるかもしれない。