いくら映画に傾注しているからといって、このアニメーション作品の、テレビ版のストーリーを再構築した総集編的立ち位置の劇場版を「あえて」見るという選択は、それこそ2年前ならありえないものと言える。
しかし、スクリーンの魔力、音に取り囲まれる興奮、それら全ては劇場でないと体験できない。もっといえば、MX4Dのような特殊効果など、どう考えても、自宅で再現しようがない。作品のファンになったのは確かに最近だが、この作品の持つポテンシャルは、スクリーンでこそ発揮できる。そこに気づかせてくれただけで満足だ。

なので当方の今回の鑑賞記は、実に簡単に終わらせたいと思う。
まず採点。「しません」。何となれば、すでにテレビでやったことの焼き直しであり、新規に作画している部分もなくはないが量は少なく、映画一本としてみるには難しいからである。当然ランキングにも絡めない方針とした。
ストーリーは、セントグロリアーナに一敗地にまみれてからというもの、サンダースもアンツィオもプラウダも、そして黒森峰でさえ撃破し優勝してしまうという、都合のよすぎる、ビギナーズラックでしかないストーリー。大団円ではあるものの、そこにつながる友情や、友軍を見捨てないという矜持に触れる部分が色濃く映されている。

ではどうしてこのタイミングなのか…来年に向けた露払い、という意味合いもあるのかな、とは思うが、再編集は、まさに「ガルパン2018年バージョン」と言ってもいいものだという位置づけなのではないか、とパンフを読みながら感じた。
それができるのも、この作品につながる人たちが「熱い」からに他ならない。それを確認しに座ったというのが実際である。

またしてもOSシネマズハーバーランドの10スク。当方購入時点で2人だったが、最終的には7名の鑑賞。だが、一番の驚きは、なんと60代の夫婦の鑑賞である。さすがの私も度肝を抜かれた。なにが彼らをガルパン爺さん/婆さんに駆り立てたのか…インタビューしとけばよかったか…残りは男性ソロ。平均は50代前半を推定したが、20代/30代も一名ずつ来ていたので悪くは見せなかった。

世の熱狂的なガルパンおじさんにまたしても一歩足を踏み入れた感が強いが、私はこの作品とは付かず離れず、のめり込まず、のスタンスで付き合い続けたいと考えている。それがほかの作品の邪魔にもならず、有意義だと感じているからである。