公開1か月でここまで興行が盛り返したのは、アニメーション映画としても特筆すべき事象だと思える。
と、前回の鑑賞記に書いた。
いろいろ調べて見ると、この手の作品が出現する確率はかなり低いようだ。つまり、この作品の良さに気付き、いまそのただなかにいる我々は、その稀有な体験を続けているのと同じだ。
こうした関係者の舞台挨拶などは関東/首都圏に偏りがちなのだが、なんと、塚口サンサン劇場で10/27にあるというではないか。当方もスタンバイせざるを得ない状況に陥ったとみている。

関西での初登壇ということでもあり、ここまで入れ込んだ作品のいわば「お祭り」「祝賀会」の様相すら呈している。なにより、プチョンでの受賞歴は、まさに「凱旋上映」とまで持ち上げてもしかるべきものだといえる。

私は、(フロート席を除き)満席の劇場で、この作品を見られるなどとつゆにも思っていなかった。たしかに名作だが、そこまでのポテンシャルは持ち合わせていないと感じていたからである。それが、関係者(監督と2名のP)登壇というエッセンスだけで満席が出来するのである。
これははっきり言って大事件である。この作品が持つ実力を我々は、過小評価しすぎていたようだ。

開場2時間以上前から塚口サンサン劇場に陣取る。地下一階の待合にも特設展示が恭しく掲げられている。
一応写真に納めながら、当方は時間をつぶす。開場30分前に地上に上がると、一台だけのネット発券機には長蛇の列。ほとんどがネット→クレジット決済で席を確保した人たちだろう。そしてそれを見るだけで劇場内部の年齢/性別構成がうかがい知れるような感じとなる。
当方は、後ろのほう…K列を予約していたこともあり、あえて早々に入場せず、もぎられていく人たちをカウント/人定していく。
今回は、圧倒的に男性優位なのだが、中心層が2極分化していると感じられた。つまり、30代にもピークが一つあり、50代が最も多く感じられたのである。平均年齢はそういうわけで40代後半。ほとんどが男性ソロなのだが、ツイでの知り合いなどグループで参戦している層も少なからずいた。女性は10人程度。

もはやストーリーなどを描くまでもない。笑って、泣いて、歌ってしんみりできる。94分があっという間だったのは、ひとえに音響のせいによるところも大きかったか。
エンドロールが終わり、計ったように拍手喝さいが4番シアターにこだまする。この瞬間を待ち望んでいた小生も率先してその輪に加わる。
登壇までに支配人のそそくさとした動きに、ちょいちょい入れるジャブに観客も失笑を禁じ得ない。そうこうするうちに準備も整い、司会+お三方の登壇となる。

ケツカッチンではないので、時間いっぱい、というより、時間の許す限りの質疑応答が繰り広げられたわけだが、恐るべきことに、質問者の中に初見組がいるというではないか!! これには度肝を抜かれた。
質問内容は、「商品化」に関するものが多かった。サウンドトラックについては、DLEのPの発言を解釈すると、「サウンドボックス」的に売りたいのかな、と思うし、設定/原画集的なものも出したいというのは伝わったが、いつできるかの明言がないところに遅々としての進んでいなさぶりを感じ取る。
両親の死を盛り込んだことについては、意外にチーム内での混乱や原作者の心証を悪くしたという感じは受け取れず。ようするに「おとな向き」に改変したのに、広告宣伝は、ファミリー層向け、時間帯は「お子様連れを想起した午前回のみ」では乖離して当然である。
今回はSNSのせいで、助かってはいるが、次に同じようなことをしたら助からないこともありえると肝に銘じなければならないと思う。私としても「埋もれず正当に評価されてよかった」と胸をなでおろしているが、最初っから、子供向けっぽい戦略は失敗だったといわざるを得ない。

まあそれにしても監督氏の冒頓感はすごい。こんな人なんだろうな、と思っていたのだが、予想をはるかに上回るしゃべらなさぶりに「物言わず、行動で示すタイプ」と感じた。次回作がいつになるかは未定だが、できたら、オリジナルものに挑戦してもらいたいところである。