映画鑑賞が完全に趣味化している当方。予告編を見て「やばい」「面白そう」といった作品を手当たり次第に見ていくと、時として、シリーズものの途中から見てしまうという失態をやらかしてしまう。

それがこの「いつだってやめられる」3部作だ。よもやの三部作とは思いもよらなかったし、前段があるにせよ、そんな大仰なストーリーにできるんかいな、と不安しか持ち上がらなかったが、まあ『ようやったんと違う?』という〆になっていた。
そうなると、きっかけとなった「合法麻薬の製造からマフィアに脅される一連の流れ」はどうしても見ておきたかったのだが…

こんなことがあるのだ。三部作と知ってか知らずか、ホンに地元のパルシネマしんこうえんさんが一週間限定でかけてくれるというのだ。もう行くしかなかろう、となってようやく水曜日に拝見となる。
場内は相も変わらずぽつりぽつり。それでも夕方回/ラストでは20人超の入場を果たす。

しかし、2作目基準で考えると「前日譚」に近い内容になるわけで、1−2−3と順繰りに見なかった当方としては、「ああ、あのシーンってここが元だったのね」といえるような内容になっている。
大学に暇を告げられるシーンはあまりのあっけなさに開いた口が塞がらない。しかも味方になるはずの指導教授は足を引っ張るおまけつき。実はこいつ、狡猾で感じの悪い人物だったのだが、完結編でもその片鱗を見せていた。知り合いの教授連が、無職、あるいは軽時給バイトで食いつないでいるのに腹を立てた主人公・ピエトロの編み出した、合法な(禁止薬物にされていない)ドラック製法。それはあまりに効きすぎてあっという間にハイセールスを連発するようになる。
「いつもどおりに生活せよ」なんて言われても、現金収入があっという間に積み上がればそれは土台無理な話。ちなみに一粒200ユーロという末端価格はべらぼう。しかし「30分で700ユーロ」というピエトロの言ったことは実現する。

だが、好事魔多し。3作目でピエトロを殺しにかかろうとしたマフィアのボス・ムレーナがここに絡んでくる。彼の人となりやなんでマフィアに身をやつしたかについては3作目で語られている。もちろん彼も悪党の一員、と思いきや、紳士協定でピエトロの彼女と合成麻薬との交換取引を迫ってくる。そこがなかなかよかったのだが、でぷっちょ教授の単独事故から一気に事態は急展開を迎えることになって行く。

採点に移る。
ずばり78点までである。当初の7人が出そろう部分の作劇は納得のいくところではあったが…どうにも話が込み入っていない。しかも危うく人を殺めそうになってしまうなど、この人たちのやっていることにどこまでの正義があるのか、はわかりにくいところである。ドタバタなのだが、その部分が強調されていた2作目や、さらに団結している時間が濃密だった3作目を上回ることはない。
1作目から見ていたとしても、評価はそんなに変わっていなかっただろう。そして惜しむらくは「この作品3部作でっせー」と声高に劇場でも宣伝されていなかったこと。「え?これでおしまい?」と思った人は少なくないはずだ。

私自身で言えば、順番はどうあれコンプリートできたから満足である。通しで見たとして、総合85には少し届かないかな、くらいの映画だったとしておきたい。