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そりゃぁ、確かに安藤百福の生涯を描いたとされる連続テレビ小説『まんぷく』効果は、日清食品にとって追い風なんていう一文字で過ごせるはずがない。
スポンサードしている選手の活躍ぶりも大きいのだが、カップヌードルは増産に次ぐ増産。チキンラーメンの袋めんも棚から消えるほどではないにしても、うりあげが急伸長していることは報道等からでもうかがい知れる。
→この商品が売れすぎて、需給にまで変化をもたらしたのだから、おそるべしである。4/11のプレスリリースより

もちろん天下のNHKなので日清の製品とは一言も謳っていないし、まして安藤百福という個人名も出していない。それでもここまで売れてしまったのだから、テレビの効果というものは恐ろしい。早くにCEOの一代記でもやってくれないかな、と思うのは私だけだろうか……。

そのバカ売れすぎて棚から一気に無くなったという評判の「カップヌードル味噌」。当方は、コンビニ店で一個見つけて「おお、これが噂の」となって購入後、しばらくレビューをしないでいたのだが、ここに来て、そろそろ、という機運もあって、GW明け後に実食。
ふたを開けた時の感覚は、いつものカップヌードルだな、というくらいしか思い当たらない。相変わらずの油揚げ麺に具材とスープが混然一体に表面に載っているいつもの風景だ。
お湯入れ3分。ふたを全開する。

そこに広がった、味噌独特の風味、少し豚の油身分をまとったような甘ったるさが場を支配する。今までのカップヌードルの味噌味といえば、欧風と和風の折衷案的な味で、まさにどっちつかずの味だったり、みそ汁が念頭にあるかのような味付けだったりと、パンチのある味には一度も出会ったことがなかった。
だが、今作はその方向性をがらりと変えてきた。カップヌードル麺には似つかわしくないかなりヘビーな味付けで挑んだのである。だが、その方向性がかなり有用に機能している。

とにかくスープの手の入れようが半端ない。製品HPには、麦みそをベースに赤白を含めた3種の味噌をブレンドした、とあるのだが、奥行きが思いっきり出て、一口スープを飲んだだけで引き込まれてしまう。生姜のすっきりさと、にんにくのコクが引き立て役のはずなのに前面に出てきているところも面白い。
もちろん、麺は相変わらずのカップヌードル麺、と言いたいところだったが、醤油やシーフードとは、明らかに麺の太さが違う。だが、ここで太さを変えたことでスープの持たせが大きく変わり、かなりぐいぐい食べられる。麺の組成を変えられたことが、このカップヌードルに賭ける日清の並々ならぬ意地を感じさせてくれた。
具材は、コーンの黄色が目立つものの、キャベツやニンジンは没入してしまって存在感がなかった。

実は、ミニ市場での味噌ヌードルはかなりの支持を得ていたからこそのレギュラー昇格、となったわけだが、それがここにきてここまでの大爆発ぶりを発生させるとはだれも思うまい。奇しくも、『まんぷく』効果で業績や売り上げもかなり好調。そのタイミングで売り切れさせるアイテムが世に出せる。本当に日清という会社は「持っている」と常々思う。

 購入店 ローソン 某店
 麺    7.5/10   スープ   8.5/10    具材  7.0/10    総合計 23.0/30
 価格補正  なし     合計   23.0/30     格付け   A+(ニュー定番、爆誕!)