今年はマジで、アニメ映画の公開・上映量が半端ない。一説によれば、君縄の大ヒットで、予算が出たり、企画が通りやすくなったりしたことが大量出稿につながっている、とも聞く。
それが示すところは、テレビでそこそこの人気を博した作品の劇場版が頻出していることでもわかる。
「中二病」「ごちうさ」(昨年)、「このすば」、「さえ彼」「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」あたりがスッと出てくるくらいには、作品があるということだ。
ただ、それでも、ヒットに結び付くかどうかは別ものだ。原作あり/テレビ版ありという、オリジナルなら太刀打ちできないアドバンテージがあっても、観客を呼べるかどうかは未知数だ。
そんな中にあって、「青ブタ」の劇場版のヒットぶりが興行界をざわつかせている。
「まさかね」。確かめるべく、関西ではあまり上映していないのだが、たまたまなんばに出る機会があったので、別館に赴く。
結論からいうと、70名強ながら、圧倒的大多数が男性。テレビから入った20代が次々に。面白いのが、男性ペアが信じられないほどいたということ。いままでの観客動向でも、特異さでは一二を争うだろう。平均は30代前半とでた。

さて、早速だが、この作品は、ブログ上では「採点/ランキング保留」とさせていただく。
映画単体での採点は、 twitterでは済ませているのだが、「テレビ版の続編」「単体評価はかなりの無理筋」とわかると、その採点自体も白紙に戻したい心境である。特にテレビ版の後日談的な位置づけであるだけに、その前提条件を知らないで評価するのは作品にとって正当なものとなるかどうかが未定だからである。

咲太の心の揺れ動き、そもそも「誰を生かす」ことを選ぶのかが注目なのだが、この作品にとって、ひとつありえないのは「歴史改変上等」という、ドラマにとって都合がいい設定を堂々と使っていることにある。
・最初の時間軸→心臓病の翔子に臓器を提供するのはなんと咲太。つまり死ぬのは咲太。
・第二の時間軸→事故直前、麻衣が咲太を突き飛ばし自分が身代わりになる。死ぬのは桜島麻衣。
・第三の時間軸→未来からやってくる咲太自身が轢かれることで誰も死なない世界が成立する。
その結果、病気になっていない、そして、思春期症候群にも罹患していない翔子が現れてジ・エンド

確かに設定はうまく使っている。だが、タイムリープ物は、それだけで「如何様にでも作れる」から、私はあまり好きではないのだ。
「君の名は。」を私が絶賛するのは、「真実は一つしかない」からである。その歴史を確定させるための入れ替わりだから、無理には感じないのだ。

この物語の世界線はいったいどれが正解なのか、どのストーリーが真実なのか、誰も悲しまないのが最良なのか……つまり、この作品のバックボーンがどこにあるのか、がわからない以上、評価/採点は危険極まりない行為だった。
もちろん、麻衣と咲太のイチャラブぶりは現役高校生が見てもかなりの度合いのものである。あんなツンデレの麻衣先輩、私も御するだけで精一杯になっていたはずだ。
この作品はそういうわけで、間もなく再放送される本編をじっくり見てから評しようと思う。