新海誠監督の「天気の子」が2019年7月19日、華麗に公開された。前週公開の「トイ・ストーリー4」とのバッティングもなんのその、一応公開週は興収一位を記録。その後の平日は、しり上がり、という理想的な興行成績にはならず、当方も初週終了時点で、「1000万人越えはあるが、200億は厳しい」と結論付けるに至った。

その最大の障壁は、作品そのものの難解さにある。ストーリーは、いたって平坦で、ボーイ・ミーツ・ガール、ボーイ・サーチズ・ガールな内容。そこに論点はなく、各個人個人の行動原理や、セリフの軽重、なによりも感情の起伏で納得いかない部分が多く出たりもしているからである。
こうした、脳天にストレートに訴えかけない、もやもやっとした作劇を一般の人は嫌う。だから、新海オタクにはばっちりはまっても、本来の主対象層である一般層を取り込むことを否定するような演出に嫌悪感が生まれ、バッドレビューにもつながり、ひいては「見なくても大勢に影響なさそう」と思わされてしまうのである。

当初の見立てでは、「前作越えあるかも」と思っていたのだが、周囲の盛り上がりがもう一つなのである。こういったところにもスポットを当てていきたいと思う。

1.きらびやかさを捨てた描写
2.悪と善のはざまを生きた帆高
3.母の死を隠すようなきょうだいの生き方
4.家出人捜索にしては大仰すぎる展開
5.都合のよすぎる「あれ」の二度目の登場
6.殴られ続ける帆高は何の象徴なのか?
7.たった一日の出来事が盛りだくさん過ぎる。
8.高校生に翻弄される警察の無能ぶり
9.<最大の論点>東京『だけ』が沈んだのか?
10.二つの聖地に言及する
11.ラストシーンの是非
12.RAD劇伴の今作の位置づけ
13.主題はいったい何なのか?

2019.8.4に、現地取材をした結果を踏まえて、論議したい場所や疑問に感じた点はこれだけある。順不同で各々書いていきたい。