※2019.12.18 解析がいったん終了したので、すべての順序通りに並べていくことにしました。
尚、全記事、直リンクを張ってあります。

新海誠監督の「天気の子」が2019年7月19日、華麗に公開された。前週公開の「トイ・ストーリー4」とのバッティングもなんのその、一応公開週は興収一位を記録。その後の平日は、しり上がり、という理想的な興行成績にはならず、当方も初週終了時点で、「1000万人越えはあるが、200億は厳しい」と結論付けるに至った。

その最大の障壁は、作品そのものの難解さにある。ストーリーは、いたって平坦で、ボーイ・ミーツ・ガール、ボーイ・サーチズ・ガールな内容。そこに論点はなく、各個人個人の行動原理や、セリフの軽重、なによりも感情の起伏で納得いかない部分が多く出たりもしているからである。
こうした、脳天にストレートに訴えかけない、もやもやっとした作劇を一般の人は嫌う。だから、新海オタクにはばっちりはまっても、本来の主対象層である一般層を取り込むことを否定するような演出に嫌悪感が生まれ、バッドレビューにもつながり、ひいては「見なくても大勢に影響なさそう」と思わされてしまうのである。

当初の見立てでは、「前作越えあるかも」と思っていたのだが、周囲の盛り上がりがもう一つなのである。こういったところにもスポットを当てていきたいと思う。

1.<最大の論点>東京『だけ』が沈んだのか?
2.冒頭、なぜ、帆高はずぶぬれを容認したのか?
3.なぜ、代々木と田端なのか?
4.スポンサーとの関係
5.殴られ続ける帆高は何の象徴なのか?
6.都合のよすぎる「あれ」の二度目の登場
7.高校生に翻弄される警察の無能ぶり
8.陽菜は晴れ女?雨女?
9.「大丈夫」のセリフの持つ意味
10.「ロケハン」の大切さ
11.偽ブランドはなぜ必要だった?

2019.8.4に、現地取材をした結果を踏まえて、論議したい場所や疑問に感じた点はこれだけある。順不同で各々書いていきたい。