一回目の鑑賞を公開初日に終えた私。だが、私を虜にして離さない感情が勃興する。
それは何もかも、この楽曲のせいである。


事実一回目の鑑賞時にこう書いている。
終わった……だが、本当の感動はここからだった。
エンディングのタイトルが「エイミー」だったのだ。こんな仕掛けをしてあるとは!!そこまでほとんど感情の発露がなかったのにタイトルが出た瞬間、どうしようもなくなってしまった。
また歌詞が恐ろしくいい。早くも当方の十八番曲にするべく音源を買い求める所存である。



この言葉通り、購入に至り、車内で聞くのだが……
「大丈夫」もたいがい涙腺緩めず聞く(歌う)のは困難だが、「エイミー」はその時々で歌詞と映像がシンクロして、急に嗚咽を禁じえなくなったりと、確実に私の精神に憑りついてしまった。
「初見で起こらない感情が起きるのではないか」
それが、2週目の初日に当方を劇場に向かわせる原動力になった。
OSシネマズ神戸ハーバーランドの1番といえば、スクリーンも大きく、見ごたえある箱だ。あえてC列をゲットしたが、7割強は埋まっている。同姓ペアがかなりの比率を占め、3連休前ということもあってか、20代前半の男性グループも見受けられた。平均は30代前半にまで改善、男女比は若干男性優位とはいえ、女子の来訪も無視できない。

「エイミー」の歌詞をほぼほぼ理解している当方からすると、時々にそういった言葉が出てくるから始末が悪い。それでなくても、「私の名前を呼んで」という手紙の持つ破壊力は、52歳になったばかりの男性を感動と嗚咽のるつぼに叩き込む。
ただ私はうかつだった。ヴァイオレットが寄宿学校を去る前、「エイミー様」といっていたのだ!!
あまりのことに息を飲み、泣くことすらできないでいた。彼女はすべてを飲み込み、受け入れ、「エイミー」としてこれから接していこうという決意にも受け取れる。
テイラー編となる後半は、想いが伝わるかどうかに焦点が当たったわけだが「渡されない手紙なんてないからな」という殺し文句と、「私はあなたの妹です」というこれ以上ないストレートな発言で完全に打ちのめされる。テイラーではないが、滂沱の涙を流したままである。

そしてエンディング。
ここまでかけばもうお分かりだろう。
涙腺大崩壊をこのエンディングがかかっている間中、引き起こしてしまう。曲自体は5分弱。この間ずぅっと泣きっぱなしである。「大丈夫」は、体力を使うのだが、この曲は精神的に持っていかれる。
館内が明るくなっても、態勢が整わない。でもこんな、感動作がわずか3週間しかかからないなんて、もったいないにもほどがある。
長編の方を待つ準備はできているのだから、露払い的に再上映してもらいたいものである。