一回目の鑑賞時にこう書いている。
終わった……だが、本当の感動はここからだった。
エンディングのタイトルが「エイミー」だったのだ。こんな仕掛けをしてあるとは!!そこまでほとんど感情の発露がなかったのにタイトルが出た瞬間、どうしようもなくなってしまった。


脇役とはいえ、茅原実里嬢は出演しているわけだが、ここまで本作を咀嚼し、歌詞に落としこめる才能に嫉妬を禁じえない。
だって、歌詞に無駄が全くないのである。

何やら歌詞を引用するとジャス何とかという機関に詰められるそうなので、あまり多くは書けないのだが、それでも「風に舞うステップ」であのデビュタントでの舞踏会を思い起こすし(屈指の美麗作画箇所)、「幸せ運びたい」で、郵便配達人になりたいというテイラーの願望につながる。
ただ私は何で「ふたつ星」なのかが気になっていた。たしかに血のつながりのない「鎖で繋がれた一人ぼっちのぼくたち」なんだが、そんな描写ってあったかな?

そして3回目の今回。
ふたつ星を見つけてしまって、実は泣きどころではないにもかかわらず、号泣してしまった。
そう。ただ単に自分たちを星になぞらえただけではなく、実際に画の上でも表現されていたのだった。
あえてここではその場所は言わない。だが、これがわかった瞬間、本当にこの作品は当方にとってなくてはならないものになった。

ヴァイオレットがつないだ、血のつながっていない(むしろ成り行き上であり、二人が結ばれる要素は皆無だった)姉妹。「ふたつだとほどける。3つで編むからほどけないんです」。二人とヴァイオレット。「編みつづけた想い・願い」という歌詞にもつながるテイラーとの髪スキの場面も含蓄が深い。

三回目のエンディングは、さすがにそこまで涙腺崩壊を引きおこすまでには至らなかった。
それでもところどころであのシーンが、そのセリフが、二人を思い起こさせる。離れていても二人は一つ。こんな芳醇な姉妹物語がヴァイオレットを介して結ばれていく。手紙の持つ本当の意味、目的。それこそ、本編で描かれるであろう、「愛してる」の意味をヴァイオレットは知りえるのだろうか?

場内は、19時スタートということもあり、8割強。この作品ほど、リピーターを生む仕掛けと、それに呼応するファンたちの相乗効果が発揮された作品はそうそうない。当方鑑賞の中でも一二を争うタイトルになったことは疑いようがない。