一年に一度の「映画の日」。ほぼどんな作品も1000円で見られるという大盤振る舞いデー。言わずもがな、2週目に当たっていた「アナと雪の女王2」も対象である。
そうなると、入れ込みにも期待がかかるわけだが、結果的に恐ろしい実績が達成され、データ所得サイト史上最高値を記録した模様である。

当初の予定は、「シネピピア」での天気の子→決算!忠臣蔵 ルートからの、別の一本→梅田行き としていたのだが、盛大に寝過ごしてしまう。
この二本を外さず、さらに話題作が見られる場所はないか、とブラウジングして見つけたのが、イオンシネマ三田ウッディタウンだった。
スケジュールも、すみっコ→忠臣蔵→天気の子 が無理なく見られる絶妙の時間割。さすがにすみっコぐらしは往時の勢いも衰えつつあるようだったので、一切予約せずに劇場に突撃する。
自宅から新開地まで。ここで「日曜日限定」ながら、1カ月神戸電鉄乗り放題切符を購入する。1.5往復すれば十分元が取れる親切設計。これで、 0268やら元0442やら、元0700やら…

まあ、それはおいおいやるとして。
久しぶりのほぼ乗り通しの神戸電鉄。たまには、田舎電車も悪くない。
ウッディタウン中央駅に降り立ち、イオンシネマの入っている二番館を目指す。駅からさしたるアップダウンもなく着けるのはありがたい。
館内は大混雑か、と思いきや、想像よりもやや空いていた。それでもここだけでアナ雪は10スクリーン以上のブン回し。最終的に3上映回が売り切れとなったようだ。人気になっているすみっコぐらしだけに、予約せずに来たのは失敗か、と思いきや、前より4列はガラガラで結局5割強と言ったところ。個人的にはもっと入っていてほしかった。
それでも、前上映回を見終わった親子たちが泣きはらして出てくる姿を見て、当方も確信する。「私がただ単に泣けているだけではないんだな」と。

今回観ようと思ったきっかけは、「あのシークエンスの、初見で取り込めなかった感情の回収」だったのだが、これはきっちりさせてもらった。ひよこが向うの世界に行けないことを先に感づき、全員の勧めに応じないひよこを説得に行こうとするペンギン、倒れ掛かる塔、それを支えるサブキャラ(本の中の登場人物たち)。そうこうするうちに吸い込まれて元の世界に戻っていく仲間たち。その時に作った花飾りが一つまた一つと花びらになって散っていくさま。後ろ髪を引かれつつペンギンが最後に別れをする前には、キャッチャーがいい仕事をしているというおまけまでついている。
そしてエンディング。書いた絵がベタに笑うわけだが、これは、女児対象とするなら、いい演出だといえる。

「プリキュア映画の破壊力」に負けず劣らずだった、「すみっコぐらし」。やはり脚本の力は偉大なのである。