いよいよ、「その時」は近づきつつある。
リバイバル上映もそろそろ店じまいの時を迎えようとしているのだった。一足早く「君の名は。」はほぼ終了。「天気の子」も上映館を探すのに苦労するくらいにかけている場所は少なくなった。
そんな中で、当方は、「新規開拓」をもくろむ。ちょっとしたお出かけも含めて、行ったことのない劇場を巡ろうと思ったのだった。

そんな要望に、応えてくれる劇場があった。109シネマズ エキスポシティだ。
ここは何といっても、最新のIMAXレーザーが見れる劇場。行った当日にやっていたのはAKIRAや新作だったりするが、ここに天気の子のIMAXが入っていたら、一も二もなく鑑賞するところだった。
劇場には10時20分には到着。早速購入するのだが、いい具合に埋まっている。これはうれしい。
15分前から入場なのだが、画面での案内と、実際の券購入のスクリーンに差違ができるという失態を演じる。もちろん券印字のスクリーンに向かう(案内ボードを信じた客もいたようで、促されてはいってきた数名がいた)のだが、これはなかなかない失態だ(こういう時に画像を押さえていないという……)。

館内は、久しぶりに多彩な顔ぶれとなった。ソロ男性は私一人だけ、家族連れが2組(しかもお子様3人は3人とも10歳いくか行かないかレベル)、女性3人グループが2組、カップルも2組となり、女性優位で推移。私が最高齢なのを確定したうえで平均年齢は30代前半にまで低下する。

ガチ勢らしくやや前寄りに陣取ったが、久しぶりに首が痛くなる画角で少し難儀する。それでも、ここ数回の鑑賞での当方の動きは実におとなしいものだ。
今回もラブホまでは全く感情の勃興が起こらない。だが、やっぱり「陽菜さんを……見てる」からは帆高の側にどうしてもついてみざるを得ない。ここの森七菜嬢の演技は本当に彼女以外で演じられるのか、とさえ思う。
グランドエスケープも、呼び捨てにする帆高からの絶妙な「空―飛ぶ―」のインサートにしてやられる。もちろんあの怒鳴りで私も感極まる。

ラストシーン。
すべてを達観した私にとって3回目の泣かないチャレンジだったのだが、それは見事に成功した。スクリーンを凝視しながら、歌詞を咀嚼する。今までは二人が逢えたことがうれしすぎて大号泣していたものだが、彼らがムスバレテいるとするならば、これは必然だ、という思いが、泣かずに済ませているのだろうか?
ただ、「大丈夫」はエンディングをかざるにふさわしい曲として、一二を争う出来であることは間違いない。「だいじょーぶーにーーー なーりたーい」では危うく落涙しそうになったが、何とか堪えた。

満足度の高さは、「君の名は。」と双璧をなす作品である。気が付けば、鑑賞回数30回台後半。おりに触れ見ていくことになる名作と、しばしお別れとなりそうである。