「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の物語は、一応劇場版すなわち完結編の公開、ほぼすべての人が思い描いたであろうエンディングをもって大団円となった。
だからこそ、いろいろと考えさせられるところも出てくるのである。
特に彼女の年齢不詳ぶりは群を抜いている。

特に原作も、テレビ版のストーリーも何もかも知らない完全初見派がヴァイオレットの立ち居振る舞いを見たら、20歳過ぎの淑女を思い浮かべるだろう。ところが、彼女は、劇場版でのセリフにもあるように、18歳でCH郵便社を辞めている。
さあ。そうなると、テレビ版の13話分、外伝ではイザベラの家庭教師の3カ月→3年後のテイラーの来訪となり、いろいろとおかしな部分も出てくるのである。
そもそも、ヴァイオレットは4年の間に成長した、というような記述がほとんどない。戦争が終わる直前にギルベルトと逢い、兵器としては使えるはずの彼女がギルベルトのところに来てからの何か月かがわからない。そして、すでに3話あたりでヴァイオレットの成長は止まったように描かれている。時間経過にはそれほど気にかけている様子がないのだ。
だから、彼女のみた感じ、しかも淑女らしい立ち居振舞いが、「兵器」であり、無表情、物もそれほど知らない彼女には、相応の時間経たないと実現できないと思ってしまう。「え?18歳で辞めたってことは、あの風貌で14,5歳ってこと?しかもあそこまで成長できるものなのか?」となる。
もちろん、彼女の年齢は、ストーリーからするとそれほど大きな位置を占めるものではない。だが、彼女の設定だけが突出していることは違和感でしかない。