ツイッターで一番親交を深めるほどの付き合いになっているのが、彼、「スーパーゆかり」氏(twitter HN:@yukarin_super) だ。
ダイエーの歴史本を作るから、さぞかし中年っぽい、と思われるかもだが、まだ就職して一年目=23歳前後なのだ。
これが指し示すことは驚きの連続である。つまり、
・ダイエーが衰退しているさなかに物心つき、尚且つ研究対象にした(商業施設全般な彼だが、特にダイエーだけは店コードで会話できるほどの猛者)
・この手の人にとってはバイブル、といってもいい「ダイエーグループ35年の記録」本を持っている(一番いい時代のころを知っている)
・かなりハードルの高い同人誌を作成するための交渉術などを兼ね備えている。

という点である。
緊急事態宣言は後出しだったが、1/17に開催されるこみトレに出店の有無を問い合わせたところ、「出す」とのこと。実は、「是が非でも出したい」という思いが本人のブログにしたためられていた。
私自身は「確かにダイエーにとってはターニングポイントだからな」と感じていたので、売り子兼店番を今回も快諾。前回同様、大阪港で途中下車して「すきや」で朝ご飯を食べて万全を期す。
これまでオンタイムで来たことのなかったゆかり氏は今回は待ち合わせ時間通りに現地着。だが、重そうなダンボール箱を持っている。理由はすぐに知れた。今の勤務地が、豪雪に泣く富山であり、集荷も、出荷も無理だ(正確には着日指定ができなくなっている)といわれたのでやむなく手持ちしたのだという。
キャスター付きのカートやスーツケースにしてもよかったのに、というのだが、「帰りは遅くなってもいいから配送してもらうし」ということで手持ちを選んだのだそうだ。でも、40冊近い本+展示用の資材は軽く見積もっても10キロ強。
しかも、緊急事態宣言の発出は出店者側にも異変が訪れていた。当方が所属したイブロックは、開場時点で半数も埋まっていない惨状。しかも、ウブロックとの端境にある一列は、うちのサークルしか出店していないというスカスカぶり。「こんなんで売れるわけない」。来店客がいてナンボの同人誌頒布会。絶望という文字がよぎる。しかも、今回、当方のサークルは、こみトレの中でも異例の「完全キャッシュレス決済」にチャレンジしたのだった。決済できるのは一般クレジットに交通系のIC。何ちゃらPay系と、現金をお断りにした。この手の頒布会はまだ現金主流。それを曲げてでもキャッシュレスにしたわけだが、クレカもてない層を排除しているようで心苦しかった。もっとも、主催の意志なので仕方ない。
果たして11時開場。いつものように開場前から壁サークルには待機列ができているのだが、このからくりがいまだによくわからない。
それでもぽろぽろと来店客はやってくる。一瞥して喰いつく客は4割程度、見本誌みる人は3割だが、購入に結びつかない部分もある。今回は山積み作戦にしたのだが、これが功を奏したのか、午前中で当初予算の5冊を突破する。残念至極は、現金オンリーで、他の支払い手段のない一人のお客さんがなくなく買えなかったこと。
そして、閉場間際、奇跡の一冊が売れて、なんと、前回の初出店時と同様の10冊がお手元に渡ったのだった。


前回のコミトレ初参加時のコメントにこんな文言がある。
 この後の通販での売れ行きにワンチャンをかけたいところだが、この調子では、在庫が掃けるのは何年先だろうか?

ところが、話を聞いていると、BOOTHに送った在庫50冊は、1/18で完売(頒布会までで44冊も出ていたそうだ)、頒布会での20冊も合わせると、70冊以上。私としてはちょっと信じられない数字である。
実は今回の頒布会のさなかに「次」の製作を模索する会議みたいな話し合いも持った。そこで提案したのは「あの店舗は今」。ダイエーの過去店舗はイオン系に移ったものも含めて300店舗以上あり、その大半がほぼ取り壊されず現状維持をしている。だが、大和田・相模原のようにマンションの1Fに入るパターンや、住吉や香里のように、そこにスーパーがあったことすら忘れ去られている場合もある。
「そこに店舗があった」は、ノスタルジーを感じさせるし、何より現状把握にもつながる。今度は写真中心の構成にもなるわけで、どこまでを第一段にするか、悩んでいるところである。