コナン映画はともかく、「すばらしき世界」の救われないラストシーンはいただけなかった。「合う・合わない」で言えば、河瀬監督よりは合ってはいたのだが、こうとしか描けなかったのは、原作の影響か、と感じた。
ええい!
当初予定通りなら、15時スタートの「鬼滅」を入れるところだったのだが、「すばらしき」がそこそこのランクインしそうなレベルなら見ないで帰る、も視野に入れていた。なのでギリギリまで買わずにいたのだが、結局今日の中締めという形で鬼滅も鑑賞したというのが実態だ。

それでも、館内は、中規模箱ながら、3割弱は座ってくれている。だが、当方が本作を含めて館内の観客動向をチェックして恐らく初めての現象に立ち入る。
それが、「男女比率が逆転した」という事実だ。これまで、煉獄vs猗窩座のバトルシーンの出来の良さは十分男の子向けであると思えるのだが、彼ら二人が、腐女子にドストライクだった可能性が浮上するのだ。現に、当日のデータは、ソロ男性は当方含めて2人だけ。かたや女性陣はソロ12名、ペア4組、女性グループ3人組も来訪。カップルが相応数鑑賞したおかげもあり、圧倒的な比率差は生まれなかったが、それでも成人だけの比率はほぼ2:1で女性優位と出た。
ここに、「鬼滅もリピーターのみならず女性に支持されているから大記録が達成できているのだ」と理解する。家族連れの来訪も止まらない状態で(本日も4組確認)、まだまだ動員が伸ばせそうなだけにGWまでの延命があるかどうかは興行を追っているものからすれば気になるところでもある。

17週目の映画なのに、館内は3割弱。だが、「まあまあだな」と思ったその次にとんでもない記録が出るとは夢にも思わなかった。
さすがに9回目ともなると、お館様の冒頭のセリフが空で言えるかどうかチャレンジをしてみたり、セリフの間を演じようとしてみたり。少し毛色の変わった楽しみ方をしてみたのだった。
だが、やはりあの二人のバトルは、異次元だ。原作も読んでいる人ならお気づきだろうが、傷ついた煉獄さんはコミックではその過程が一切言われていない(むしろこの経過をすっ飛ばしたところに驚いている)。つまり、映画は、いろいろな理由で原作が端折った部分を補完したのだ。
普通は逆である。漫画原作を映像化するとき、描かないシーンがあり、そこに思い入れのある人が憤慨する感想を述べたりするのがデフォルトなのだが、この劇場版だけは違っていた。漫画が描けなかった過程にも丁寧に対峙する。だから、そこにも惚れてしまうのだ。
実際、無限列車編の後半部分は、63話から66話まであり、アニメーションで言えばよくて1話半くらいの尺だろう。尚、前半部分は、列車乗車から脱線までと考えると、54話から62話の9話分。いかに膨らませているかわかるし、そうしたからこそ、原作読者をがっちりつかみ、アニメから入った人にもその美麗な作画・動画を見せつけ、映画から入った人にもキャラの濃さや真っすぐさ加減を余すところなく描いたから満足度も高いのだ。
冷静に解析できるようになってきた本作。もちろん、「天気」「君縄」ほどの不思議要素は内包していないので、そこまでシャカリキにするつもりはない。だが、原作と比べれば、その描かれ方は一目瞭然。それがいまだに興行を伸ばし続けている原動力ともいえるのだ。