「鬼滅」のスケジュールを放り込んだ次の瞬間、いやなことを思い出す。
「あれ?あの作品って、今日が初日だよね?」
あの作品とは……これである。


実は、青年・ラジオ・音楽、ということで、この作品がものの見事にかぶってきたのだった。
→言わずもがな、当方が全身全霊をもってこの作品と運命を共にしてもいいと思える一本。


方や男性10人、あの名作は女子高生6人。どの程度シンクロするのか、どういうドラマ仕立てにするのか?気になって仕方なかった。

当初は、この日曜日にでも見ておこうか、と思っていたのだが、今日が初日、しかも「鬼滅」を見た後でも余裕で間に合う時間帯ならば、見ておきたかった。
「鬼滅」終わりで至近にある神戸国際松竹の当該作の館内の予約状況をチェックするのだが……

だれ一人埋まっていない!!!

戦慄を覚えたのは言うまでもない。どれほどレベルが低くても、公開初日/夕方回、「天気の子」の醍醐虎汰朗君もでている作品で、誰も予約しないことなんて、あるのだろうか?
早めの夕食を済ませて劇場に向かう。座席指定を促されたそこにあるのは、開場45分前(17:35購入)なのに、誰も予約していないすべてがブルーの状態の三番スクリーンだった(購入不可席1席を除く)。
しかし、なんでもプラスに考える小生。

「おっ!!公開初日なのにボッチ鑑賞なんて、なかなかできる芸当じゃねえぞ!!!」

そわそわしながら開場時間を待つ。
18:10。私しかいない10階ロビーに、弱弱しく会場を告げる係員の声。もちろん、勇躍劇場に入る。先客がいるはずもなく、当然私一人のスクリーンがそこにある!200本以上/300スクリーン以上で初めての体験を、公開初日にやってのけるなんて、記録以外の何物でもない!!
18:20。そんな狂喜乱舞の時間帯は終わりを告げた。一人の中年女性の来訪を見たからだ。かくして、千載一遇のボッチチャレンジには失敗する。だが、それでも当方の中では記録が作られた。
・公開初日観客二人で鑑賞
・当方購入時誰も購入しておらず
・有料上映で最小鑑賞人数更新
そう。余りに記録づくめなのだ。

「これで映画が面白かったら、どうしてくれようwwwwww」
そうはいかないのが世の常である。ツイッターのファーストインプレッションは82点。すっきりしないというか、深みも味わいもない、5組10人の経験だけが浮き彫りになった。
昔親世代がはまっていたコミュニティーFMをインターネットラジオとして復活させようとした元・豆腐屋の息子、そしてそれに群がる9人の青年たち。出自も、経歴も違うものたちが一堂に会して、ラジオ番組というものができるのか、というところを85分の短さでどう表現するのか、と思っていたのだが、こんな付け焼刃の集団でもうまく最初は御せていたというから驚きだ。そして、好事魔多し、の例え通り、いわゆるYouTuber頼みの番組制作は行き詰まりを見せる。
上げて落とす、からの復活劇、というプロットは見飽きており、その上「成功した」部分の記述も甘い。ネットアイドルがいない中で本来作るべき番組の本質に後半気が付くところは、都合がよすぎるとも感じた。チェッカーズの懐かしいナンバーで号泣する市役所の職員のありえなさぶりも大きく評価を落とすところとなった。
もう少し涙腺ウルウルを期待したのだが、それもなし。もっとも「おしゃべや」という番組派生のこの企画。10人で作らざるを得なかったところはやむを得ないかな、とも思うが、それならば、余計に人となりの記述を、お遊び半分でやるのではなく、真摯に掘り下げてほしかった。イッセー尾形の安定度合いが浮いてしまっているのとは反対に、田中真弓のはっちゃけぶりがほほえましく思えたのはむしろ収穫だった。山谷の薄さも気になったのだが、まあ今更言っても仕方ないか……