今日のお品書きは、実に濃厚だった。
何となれば、「機動警察パトレイバーthemovie 2」の4DX版をやっていることを、映画ブロガーの「物語る亀」さんに教えてもらったからだ。
本命が上映されるのは、14:45。それまでに2本かませれば、イオンシネマのワンデーパスポートで余裕の元が取れる。

煉獄さんの生きざまを見た後に、一組のカップルの去就を見守る映画に対峙することになるとは。こちらも、いろいろと時間を取られて、劇場一番乗りはもちろん、完全に館内を観察することはかなわなかった。
それでも恋愛ストーリーだからか、カップルや、菅田将暉のファン層を丁寧に拾っている感じが見受けられる。女性4:男性2.5、平均年齢30代前半、と言ったところだろうか……

のっけから別々のカップルを演じる絹と麦。なぜこんな薀蓄をひけらかすのか、と思ったに違いない。それは、自分たちの恋愛遍歴から引き出されたものであると後にわかる設定にしてある。
2015年から2020年までの足掛け5年間の出会いと別れがメインで描かれるわけだが、この出会いの偶然ぶりが非常に出来すぎで苦笑する。何しろ趣味趣向はほぼ同じ。行きたかったお笑いライブすら被っている。つまり、そこにいたのは自分とほぼ似通った人物なのだ。
自分と似ているから付き合っても苦にならない。安心する。ミイラ展に向かった時のトートバッグまで色違い(JAXAロゴ入り)!!二人の付き合うきっかけって所詮その程度だった。だからこそ、愛し合うのは序盤だけ。時間が経ってくると、生活が、金銭的余裕が、と言った脇筋が絡んでくる。麦が就職を決めてしまってからは、どうしても恋愛第一とはいかなくなる。
時間が解決することも往々にしてあるのだが、いたずらに時間だけが過ぎて修復が効かなくなることもまた同じくらいある。この二人の恋愛は、勢いで結婚していれば経過しなかったであろう、この溝を後半になるにしたがって、ひたすらに深く深くするだけの時間となってしまったのだった。
「会うは別れの始まり」であることも最初の段階で言われるわけであり、我々も同じ選択を常に迫られていると思わずにはいられなかった。
その時がやってきたときでも、男は女々しく、女は後戻りしない。この対比を見せられた時、心の奥底にあった苦い記憶を呼び起こされてしまい、どうしようもなくなってしまったのだった。

得点は、92点。大傑作とまで持ち上げることはしないでおく。
序盤のほのぼのムードが一転する中盤。男女交際につきもののひび割れは、実は本来なら醸成できるはずの時間という軸と、社会的地位の変遷によるものが大きいと思い知らされるのだった、
菅田将暉と有村架純というそこそこにキャリアも積んでいるものたちでドラマを作るのだから外れることはない。ただ、脇役やちょい役の豪華なこと。セリフすらない押井守監督の存在感と言ったら!麦の父親の小林薫の枯れっぷりもいい味だった。
自由に語らせている風にも受け取れる脚本、真に迫った演技。恋愛は常に成就するものではないが、それでも前を向いて新たな恋愛をしている二人に幸多かれと思えた作品だった。