私自身がこの映画や原作のファンになることは2020年9月の段階では想像もできなかった。
何となれば、ここまではやってしまっているものに迎合することがカッコ悪いとも思っていたからだ。
むしろ、流行もしないけれど、名作を発掘する、といった、人の行かぬ道を模索する方が面白いからだ。
2020年10月16日のあっと驚く興行成績からこっち、目が離せなくなってしまった。それもこれも、大量のスクリーン設定をみて、「そんなん埋まるわけあるかよwwwwww」とバカにしていた私が返す刀でぶった斬られたかのような衝撃が襲ったからである。
それでも2週間ほかの映画に傾注して、迎えた2020.10.29。この作品の一切手を抜かない映像表現、原作だけでは足りない様々な付加部分がより深みを提示する。そしてそれが演者である声優たちのひれ伏すような演技で昇華する。ここまで完成度の高い作品を持ってこられたら、どうもこうもなくなってしまう。

遂に公開から6カ月を迎えた本作品も、3/8のシン・エヴァ公開で、その公開規模を少なくさせられることは必定なのだが、それでも、いまだに週20万人以上が鑑賞しているのはすごいとしか言いようがない。3/1の前週の興行成績でわかったのは、・いまだに2位を死守 ・2/23の祝日効果で週間記録が前週越え ・土日入れ込みも前週越え という、普通の興行ではありえない伸びを見せていることにある。
月曜日の夕方回であるにもかかわらず、親子・家族連れが2組5人、カップル2組、残りはソロなのだが、女性客もそこそこ拾う。20人ばかりが見たOSシネマズ神戸ハーバーランドの2番だったが、ここは音響が素晴らしい。箱のこじんまり感に似合わないスピーカーやウーハー配置が、煉獄さんの一刀両断シーンでいかんなく発揮されるものだから、いやがうえにも上がってしまう。
いつもの号泣シーンも細かい環境音まで聞こえる。当然私も泣き濡れる。
さて、あまり作画ミスが言われていない本作だが、デフォルメ炭治郎の耳飾りの放射線の書き漏れがなんと3カ所もあった。円盤発売の際に修正されていることを望む。