多趣味・マツキヨの落書き帳

2013年(平成25年/皇紀2673年)1月、タイトル含めて大幅刷新いたしました。 現在、ダイエー店舗訪問記録/映画鑑賞記/即席麺試食記/ラーメン店訪問記がメイン記事となっております。画像/引用/リンク等は、ご随意に。

レポート

2020.8.2 はまらない。「君が世界のはじまり」鑑賞記

私の鑑賞記録は、実に180本近くになっている。2016.10.1〜のほぼ4年間でここまで作品に触れてきたのだ。
その中にあって、感動したり、はたまた感じ入ったりする作品というのは上位2割ほど。それ以外は、何とはなしに感じてしまったり、もっとひどいと「金返せ」レベルの駄作だったりする。
そう。そんな「駄作」は年に数本レベルだ。実際、今年に関して言えば、そこまでひどい作品は、洋邦共に経験していない。2019年だと「喜望峰」とか「ちいさな英雄」あたりがその立ち位置にいるわけだが、これから本数を見ていくごとにこうした外れに出会ってしまう確率も上がってくるだろう。

2020.8.2。実はかなりはまらないまま終わってしまった映画が出てきてしまった。それが「君が世界のはじまり」である。久しぶりのシネ・リーブルには、恐らく松本穂香嬢の演技を見に来たのだろう、男性ソロ10数人、女性数名、カップル一組が参集した。平均年齢は30代後半から40代前半。
「のぼる」「はしの方」と、高校生の青春物が続いたこともあるのだが、この作品は、男女6人の高3の群像劇という体裁をとった。
秀才であるにもかかわらず、弩底辺な生徒と関わるえん(縁と書いて、ゆかりと読むのが正しいのだが)、学校はさぼり気味、抜け出してはタバコを吸いまくるスナック経営者の母を持つ琴子、父親が母親の真似事を拗らせたために父に対して反感しかもたない純、後妻とよろしくやっている伊尾、精神を患った父親と住む業平、サッカーに勤しむ岡田の、男女が絡み合う設定。
冒頭高校生が父親を殺すというショッキングなシーンから始まるので、こうした登場人物の誰かがやっちまうのかな、と思ったのだが、まったくストーリー上も絡みもないフジノという生徒がやらかしたもの、というネタバレがあって、当方もがっかりすることしきりである。
誰かが殺るにせよ、映像までにする必要性がない(事実だけの提示)からである。登場人物の誰か……特に父に対して敵意すら持っている純、頭のイカレタ父を楽にさせたい業平、後妻のために産みの父が邪魔になる伊尾と言った動機のあるものがいるのに彼らが手を下していないからだ。
それが一つのスイッチになったことは否めないものの、ショッピングモールで雨宿りするこの5人は、正直やんちゃが過ぎていた。トイレットペーパーを投げまくるわ、勝手に演奏し始めたりするわ。折角のブルーハーツの楽曲も生かされているとは思えない。
ただ、個別の演技、という部分で言えば、概ね及第点である。松本穂香嬢の更なる飛躍を遂げた一本になったことは間違いないし、その他の若手もそれなりに頑張っていたように感じる。
オーラスの琴子と縁のチェイスシーンは、もっともっと大胆なエンディングになるかと思ったが、そこまでではなくあっさりしたものになっていることもあり、大きく評価を上げるには至らなかった。

得点は、久しぶりの85点。どうにもストーリーに乗れなかったところが大きく点を伸ばせない一因になっている。
「アルプススタンドのはしの方」でも問題視した、関西でロケーションしていないという決定的な部分についてはやはり異を唱えたい。関西弁であることの必要性と舞台とがマッチングしないからだ。原作踏襲とするなら、予算がかかっても現地で撮るべきだったし、関西特有の「ソース」っぽい臭いとかが伝わりにくく感じるのだ。これ見よがしに家族団らんにはお好み焼きだらけが登場するのだが、これも関西圏を一種バカにしている表現といえなくもない(きつねうどんとか、そばめしとか、他のジャンクフードも出すべきだろう)。
語る材料・カップルが多すぎて、とっちらかった感じも受けた。縁と琴子だけに絞るとか、やりようもあっただろうに、どうにもまとまりを感じられなかった。純と親父の和解シーンだけは数少ない救いのあったシーンだった。

2020.8.1 突き抜けた快感 「T−34レジェンドオブウォー ディレクターカット版」鑑賞記

私の鑑賞記録は、実に180本近くになっている。2016.10.1〜のほぼ4年間でここまで作品に触れてきたのだ。
その中にあって、感動したり、はたまた感じ入ったりする作品というのは上位2割ほど。それ以外は、何とはなしに感じてしまったり、もっとひどいと「金返せ」レベルの駄作だったりする。
作品としての優劣をつけるようになったのは、あくまでも「これよりは面白い」といった何かを基準にして決めている部分が大きい。
だが、最初から言っておくが、「T‐34」に関しては、採点のしようがない。どうしてもしなくてはならないとなった時に、当方史上初めての∞(無限大)が付いてしまった。幾何級数的に面白くなっていく感覚というのは、この作品でしか味わえないし、何といっても、「限られた兵装」でどうやって難局を乗り切るのか、という部分に対する答えが全て当方の予想をはるかに上回ってくるのだから、こうならざるを得ないのだ。

最強DC版ということなのだが、上映時間は実に3時間余り。凡庸にならざるを得ない中盤の展開がどう転ぶか見ものだった。
館内は結局全員ソロ男性で5人どまり。平均年齢40歳後半で、当方はギリギリ最高齢を免れる。
開始すぐは、ドイツ戦車に対峙してしまった兵站部隊で行動する小委が描かれるのだが、その卓越した被弾回避能力にうならされる。撤退戦を余儀なくされるロシア軍に降ってわいた「足止め」させるための殿として、この少尉が車長になって一両だけの抵抗軍が仕向けられる。序盤は一撃で2両を沈黙させるなど快進撃。だが、消耗していくにしたがってだんだん追い詰められていく。
はやとちりな当方は、序盤の一騎打ちで「おいおい登場人物みんなお亡くなりか?」と感じてしまい、中盤に入る前段で少し足踏みしてしまった。逃亡ばかりを繰り返す不屈の男が(髭のせいもあって)車長と気が付くのに少し時間がかかってしまった。もっとも、クローズアップのされ方ですぐにあの方だと気が付くのだけれどw
初見だから、また戦車バトルものだから、ロマンスとは全くの無縁と思いこんでいた節がある。通訳に女性が登用されていた時点で少し気が付けばよかったのだが、むさくるしいだけの戦争映画にこうした淡い恋物語はつきものだ、ということまでは思い至らなかった(いいところまで行くが結局引き裂かれる、とか)。
ここまで「こうじゃないかな」といった私の予想をことごとく裏切ってくれる。終盤の、クライマックスまで突っ走る、あの演習からのノンストップぶりはただただ砲弾と戦車同士の肉弾戦がどのように展開するかに身をゆだねるだけで爽快感とともに緊張感を常に持ち合わせることとなり、もはや「本当に勝てるのか」となるところまで私自身も追い込まれる。

戦車戦を描いたアニメーション「ガールズアンドパンツァー」は、正直言ってそんなうまい事行くかいな、と思っていたのだが、リアルな戦車戦(もちろん実弾)がこうして展開していた時に、二次元のアニメとは比べ物にならないリアル感が出ていて、凄く感心した。ちょっと弾がこすれるだけで、中の人に音響的・振動によってダメージを与えることがここまでリアルに再現できているのは、恐らくスーパーバイザーに現役の軍人さんがいたからではないか、と思う。
序盤の初陣での活躍、後半の逃避行が面白いのは当たり前。むしろ、ほとんどストーリーの動かない収容所生活の中盤の人間ドラマがこの作品に厚みを与えていると思っている。とある町で主人公が語る演説が、我々にとっては知っている過去だけれど、ストーリー上未来を語ったところに言いようのない重みが付け加えられたと思っている。
公開当初から結構やかましく言われていた本作。今頃の鑑賞となったのは少し残念だが、完全版といえるこの作品が初見でよかった。

2020.7.26 これはヤバい! 「アルプススタンドのはしの方」鑑賞記

もはや、この作品は、最初から点数をかきたい。
94点だ。

だが、ソンジョソコラの94点とはわけが違う。その減点の対象のほとんどが、「聖地で撮れなかった」という部分だからだ。
「アルプススタンドのはしの方」。もし本当に、甲子園球場で撮っていたとしたら、これはもう、満点に限りなく近い内容だ。あの夏の日の一日、弱小校にはどだい到達することすら叶わない大舞台。そこで撮影できてはじめてこの作品は臨場感も含めて「ああ、甲子園なんだぁ」を実感できる。
ところが実際にロケ地に使ったのは、平塚市の球場(ロケ地としてエンドロールでも発表あり/場所はここ)。甲子園球場の臨場感をあの程度のエキストラで再現するのは難しく、ましてや、地方球場で撮ったというのがバレバレ。「アルプス」とは謳っているものの、「地方大会の決勝戦か?」と誤認してしまったほどだ。

だが、それ以外には減点をする部分が一切認められないのだ。
もともとは、演劇が原案。演劇部の女子部員で、野球のルールもよく知らない二人と、元野球部だったこともあり球場に行きたくなかった男子生徒、そして、秀才でこれまた野球の応援には及び腰なメガネっ娘。この4人が、甲子園のアルプススタンドで、人影の薄い端っこで応援するで無し、ただ試合状況をあーでもない、こーでもないというところから物語は始まる。

基本、二人での会話がストーリーを紡いでいく。演劇部の二人、トリガーになる茶道部の熱血応援教師、野球部員だった男子生徒が絡んでいき、その過程で優等生メガネっ娘が本心を隠して試合を見ている。「しょうがない」としか言わなかったメインの女子が、負い目を感じてついつい先手を取ってしまう演劇部の女子が、練習することに成果を見出せず中途半端で投げ出した男子生徒が、実は好きな彼がエースを張っているから見に来たことを知られたくない秀才女子が、試合が展開していくごとに会話によって一枚また一枚と本性があらわになっていき、8回裏の自校の攻撃の際に声を出して応援を始めることで事態が少し好転するあたりの流れるような作劇にうなってしまった。
人生は「しょうがなくなんかない」し、「諦める」ことでもない。目の前でやっている試合に真摯に向き合うことを自発的に始めることができて彼らに思いが伝わるのだ、と監督氏は言いたかったのだろう、と思う。8回、試合が動き出すタイミングで、この4人が化学変化を起こしていくのは原作踏襲だと思うが、だとすれば、この舞台劇の脚本そのものも見てみたいところだ(尚、パンフには記載ありとのこと。尚1200円www)。

高3の、彼らの心の中の、清いけれどどろどろしたものが一瞬にして昇華する瞬間の爽快感はここ最近作では味わったことのない、いわゆる「鈍器で頭を殴られたような」感覚だった。舞台劇で会話ばっかりなのにこんな作劇になるとは。
私自身、邦画でここまでの衝撃を受けたのは、「カメ止め」以来だ。あの作品が、ホラーを標榜しながら、安物臭漂う映像に終わったのだが、その裏を知るとここまでのものを作るのでもこれだけの入念な準備と人手がかかっていることを知らされる衝撃だった。だがこの作品は違う。知らず知らずのうちに赤の他人でなくなっていくのだ。あのスタンドにいる人たちすべてが。そして試合展開は明らかに不利であるのに応援したくなってしまうのだ……
あ、とここで気が付く。「のぼる小寺さん」と同様ではないか!!何度も落ちながらそれでも壁に向かう。「ガンバっ!」は確かに彼女にしてみてもグラウンドに居る選手たちにしても意味のないものかもしれない。だが、それが青春なのだ。「しょうがない」なんて諦観している場合ではないのだ。

高校生諸君は必見の映画として、本作を上げておきたい。
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