多趣味・マツキヨの落書き帳

2013年(平成25年/皇紀2673年)1月、タイトル含めて大幅刷新いたしました。 現在、ダイエー店舗訪問記録/映画鑑賞記/即席麺試食記/ラーメン店訪問記がメイン記事となっております。画像/引用/リンク等は、ご随意に。

「君の名は。」

2020.6.21 4本固め鑑賞 初手は節目の「君の名は。」

依然旧作でスクリーンを埋めなくてはならない状態は続いている。
それでも、その旧作たちのラインアップに苦心している興行主も結構いる。面白いのはいわゆる鉄板コンテンツの多いTOHO系。「君の名は。」「天気の子」といった作品とは早々に決別し、今現在は「PSYCHO−PASS」や4Kにアップデートされた「AKIRA」を上映したりしている。
本記事を書いているさなかでも100数十館で上映されている「君の名は。」。あの名作がいまだに見られる僥倖に浸れるのもそう長くはなかろう。

前日のヒトカラオールから2時間弱の仮眠を経て、勇躍OSシネマズ ミント神戸に降り立つ。だが、午前中からすでに閑散とした状態。結局ソロ4人にグループ5人の9人/すべて男性という属性で幕を開ける。平均年齢は、グループが30代前半だったこともあり、30代中盤まで。

50回目の節目の鑑賞は、またしても、涙腺の調子がよすぎて、たびたび決壊する事態にあいなった。今や、オープニングの「多分、あの日から」あたりからおかしくなってくるのだ。普通なら前半30分は捨てシーン的でもあるのだが、手の内に入っているだけでなく、やはりあの二人がどうして恋仲になっていくのかを饒舌に説明しなかったことが大きいとみている。
「あんた今、夢を見とるな?」
このフレーズの持つ神秘さに最近になって気が付くほどたった一言に秘められた意味と理由が重くのしかかる。
瀧入りの三葉が自転車をこぎ出すあたりから、そろそろとおかしくなり始める涙腺。「あのさぁ、あんたの名前?」この何の気なしの中学生の瀧の呼びかけ、そして、自分の名前を告げるときに上気した高校生の三葉。3年前にムスビが完遂していたことを我々は知り、そして「5次元での邂逅」までひっぱられるのだ。

目の前の三葉に驚き、ほっとした表情を浮かべ、そして「よかった」と安どする瀧。この芝居が、今鋭意製作中のアメリカ版の実写で再現されているかは注目してみたいところである。
カタワレ時がそう長くないことを利用したあのペンが落ちるシーンは、瀧の慟哭を引き出す舞台装置として完璧だった。だから、我々も彼に感情移入してしまう。何度も書いているのだが、神木氏はほとんど素のまま(少なくとも泣くという感情は見せず)演じている。だからストレートに響くのだ。

すべてにおいてエンタメにもなっているし、劇中で号泣できる作品はそうそうないのだが、登場人物になりきってしまうほど感情移入させられたのは後にも先にもこの作品しかない。のべつまくなし泣こうと思えば泣ける作品。こんな作品をスクリーンで見られることは幸せでしかない。

2018.5.17 「俺が必ずもう一度逢いにいくって」 41縄目@パルシネマしんこうえん 

映画「君の名は。」の世界観、内容、二人の主人公の尊さ。
チョクチョク円盤を引っ張り出して23インチのモニターで見たとしても、湧き上がる感情というものがどうしてもミニマム化されてしまうのだ。

「劇場版はスクリーンで見るべき」
「映画にはまだ、こんな力があるんだと教えられました(新海誠)」

確かにDVDの普及でより一層映像作品を身近に楽しめることはいいことだと思う。だが、それでも、自宅に100インチクラスのディスプレイ/プロジェクタで見せることのできる家はそうそうない。また、映像もだが、音響面での劇場のアドバンテージ感は半端ない。
どこまで行っても、劇場で見る映画は、特別なものであり、その空間をいくばくかの料金で楽しめる。本当に2001年からの15年余り、スクリーンから遠ざかってしまったことを後悔している。

それもあるので、どこかでやっていたらはせ参じるのが常になってしまった。遠征に至った2017年7月のシネマロサであったり、復活上映があると聞けば、京阪神間であればどこにでも顔を出すといった状況である。
そして、恐るべき情報がもたらされる。徒歩圏内と言ってもいいパルシネマしんこうえんで、12日間/二本立てとはいえ、上映されると知ったからである。
そうなると、企画初日に顔を出すことに何のためらいもない。2本立ての偶数回であり、2回目は16:10から。仕事終わりでギリギリのタイミングだが、行かない手はない。

劇場には16時過ぎに到着。完全自由席(性別仕分けはなかなか斬新)なので、券売機方式の入場料払い。1200円で朝から晩まで見られるなんて、キチ縄さんが聞いたら感涙ものだろう(とはいえ、3縄しか積めないじゃんwwwって言いそうだけど)。
さて初日2回目の観客動向だが、これがまたものの見事におっさんおばはんしかいない。二桁リピーターと思しき人はいなかったものの、ところどころの笑わせポイントでもあまり声は上がらなかったので、やはりそこそこにリピートしている人たちが多かったのか?時間帯で考えれば、23名は上出来の部類ではなかろうか?だいたい、この劇場でアニメーションをやるというのはかなりのエポックのように感じている。平均は50代前半にしてみるが、もう少し高いかもしれない。男女比は、7:3で男性優位。

スクリーンはあまり期待していなかったが、音響は意外なほどクリアに響いてくれている。歌詞付きの楽曲(前前前世など)がかなり前面に出てくるような感じがした。ただ、着座位置でかなり感じ方も違ってくるように思われる。その音がよかったこともあってか、夢灯籠手前でじゅわっと来てしまう。スクリーンでは3/30以来。ほかの作品にもいろいろ浮気したのに、結局ここに立ち戻ってしまう。

今までに比べると、感情の発露はそれほどでもなく推移した。やはり、自宅での鑑賞が耐性をつけさせたのか…とおもったが。カタワレ時だっで二人が邂逅するシーンからどうしても止まらない。もちろん、ペンが落ちてからは毎度おなじみの大号泣大会。何度でも書くが、この演出は反則だ。
そうなると、三葉の手が開いていき、スパークルの後半が歌われる頃でもせっかく落ち着いた涙腺がまた激しく動く。決然とした三葉に勇気をもらい、「あー、これで何とかなる」と安堵しつつ、最後の部分を共に口パクで歌唱しつつ、"その時"を迎える。

二人が遂に出会うわけだが、ここでもなんでもないやの歌詞が私を歌わせながら涙まみれにさせてしまう。もうみなまで書きませんけどね。そして二人が階段ですれ違い、お互いを確認する。この作品にふさわしいラストカットだと断言する。

やはり読了感の凄さは半端ない。爽やかな疲労感すら同居しているかのようである。三葉は、後半、走りまくっていたが、そういう画面の人物の動きも追体験しているかのようである。
明るくなっても、動かない人も半数近く見受けられる。これこそ、入れ替えなしの魅力であり、一昔前までは当たり前の風景でもあった。併映作品も見るべく、当方は席を前寄りに移す。

解析厨歓喜!!な記事発見。書いていきますよ(5) まとめ

分刻みでどれだけの視聴者が画面にくぎ付けになっているか、を調べる指標としての「視聴質」という用語は、今回この記事で初めて知った。
→すでに4タイトル記事にしています。元記事はこちらを参照ください

これでわかることは、
・やはり10代の支持や受け方が絶妙なところがヒットの最大要因の一つであるとはっきりした
・見れば見るほど味わい深くなる作品であることに気がついた人たちのリピーター度が半端なかったこと
・高年齢層にも十分に訴求する内容であり、特に男性に向けたメッセージともとれる作風が後押し
・無駄がほぼなく、106分を一気に駆け抜けた爽快感が読了感に満たされていくこと
・CMとのコラボや、敢えてそれらしいものを投入することがむしろプラスになりえること
・女性にもっと共感できる作品だったら、千と千尋越えは確実だったこと

なぜこれほどの作品が「千と千尋」を越えられなかったのか、と考えた時に、どうしても当方が男性であるがゆえに、女性からの視点というものに気が付かないでいた。だが、エモーショナルにとらえていたのは男性が中心であり、10歳以下の子どもや女性にはいまいち響かなかったのではないか、と今回の記事は示している。
この記事の数値を使って少しだけ観客動員を加工してみる。1900万人のうちの男女比を視聴質比2.36:1.72がほぼ正しいとみると、男性は約1100万、女性が800万人となる。そして私の観客動員記録も意外なところで役に立つ。女性優位な回は意外に少なく、男性女性比なら2:1だったりしたことが多い。
ここがもし男女ほぼ同数で見ていたとするなら…2200万人。千と千尋にあと一歩だったし、それは、急激なフェードアウトによる鑑賞機会損失や年末年始の箱割失敗によるところが大きいともみている。

映画はどこまで行っても、エンターテインメントからは抜け出せない。いくらそこに感情が織り込まれ、涙腺を崩壊させたとしても、所詮は画面の向こう側の出来事である。
しかし、それに倍するスクリーンに向かわせる原動力を「君の名は。」は持っていた。だからこその1900万人越えであり、250億円越えなのだ。
実際、複数回観させられた映画に出会ったことがない、という人ですら、「そういう気持ちに憑りつかれた」からこそ、何度も座り、何度もクスッとさせられ、何度も泣き、何度も成りきり、何度も歌ってしまうのである。二桁などいわば当たり前。3桁鑑賞こそ、この映画を骨の髄まで楽しむ証といえなくもない。

地上波で満足した人も多いだろうが、逆に、この作品をスクリーンで見ていない=地上波放送が初見 だとしたら、それはものすごく損をしていることに違いない。かくいう私ですら、「よく踊らされたわ」と感じ、それまでの15年余り、無関心でいたアニメーション映画に振り向かせてくれただけで、この作品には頭が上がらない。

2018年も、この作品の記事で大半を占めるようになってしまっては、ほかの作品にも申し訳がない。今回の地上波視聴質解析は、この作品のバックボーンに触れた感じがして、本当によかった。
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