最近、本当にテレビ番組を見ることが減ってしまった。それは、コンテンツの普遍さ・突拍子さが感じられない点も大きいのだが、編集というマジックによる「切り取り」や、結果ありきのねつ造まがいの「演出」が鼻についてしまい、実際内情がわかってしまうと白けてしまうのである。
→「ほこ×たて」のねつ造疑惑は撮影に協力した出演メーカーの内情暴露がきっかけで数日を待たずして打ち切り。ついこの間も、途中から登場していないかのような処理をされたことに激高して内幕をばらした人がいて、結果、放送局サイドが謝罪する案件も飛び出している。

これがバラエティの範疇だから、過剰反応しすぎでしょ、とか、楽しけりゃいいじゃん、で開き直られても、「まあ、テレビ自体が嘘ばっかりだからな」で終わる話だし、嘘や大げさ、紛らわしいをやらないニュース番組くらいはまともに報じてくれるのでは、と思うのが当たり前である。

そのニュース番組、それもNHKの、全国ニュース番組が、「やらかしおった」のである。
まずはこの動画を見ていただきたい。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160818/k10010641551000.html

この動画には、貧困にあえぐ"設定"のJK(うららさん)が、い・か・に貧乏で進学もままならないのかが語られるのだが、自室とされる部屋は、ものであふれかえっている(1分28秒ぐらいから)。取り出したコードレスのキーボードは、なんとブルートゥース対応のキーボード。もちろんiphoneなどの情報機器は持っていることものちにわかるわけだが、この映像と「貧困」が全く結びつかないのである。

そのことに違和感を持った人たちがこの「うらら」というJKを丸裸にしていくわけだが、その過程は、2chなどを見ていただくとして、まとめサイトの詳報は本当にふるっている。
→保守速報さんにはいつもお世話になってますww謹んでリンクを張らせていただきます。
第一報 つぎ その次  その又次 トドメ 

NHKのやらせは、今回が初めてではない。「クローズアップ現代」がそうだし、ファミリーヒストリーの鳥越俊太郎氏の回でも泊をつけるためか、「大友宗麟の家臣」などと家系図を捏造してみたものの、当の子孫から指摘を受けるなど、結構やりたい放題やっている民放とレベルはほぼ変わらない。
今回の件でもすでに炎上状態であり、筋も悪い”素材”を引っ張るしかできなくなっているNHKの取材・情報源の見極めの悪さを露呈した格好である。
ちなみに2分14秒過ぎからながれる「かながわ 子供の貧困対策会議 子供部会」は今月6日に開かれたことになっているが、会議自体が開かれた、という県側の情報は掲載されていない。このあたりも要チェックである。

それにしても…
”貧困”をネタに語る高校生代表が、貧困と真逆の生活をしている実態。小遣いもままならないはずの”貧困JK”が、2000円近くのランチだの、何度も同じアニメ映画を見に行くだの、設定に忠実な”演技”もできないのでは、映像素材失格である。
彼女を”貧困の悲劇のヒロイン”に仕立て上げようとした取材陣も同罪である。部屋に足を踏み入れた時に、「これじゃぁ、いくらなんでも貧困とはいえないですよぅ」と、誰の口からも疑問が呈されなかったのか…少なくとも、自己顕示欲の塊のツイッターで何もかもをばらしているところで気づくべきだったし、取材対象を本物の貧困学生にすることも可能だったはず。もしこの子を使うなら、ボロやにでも居を構えている「振り」でもしていた方が、捏造するならよっぽど清々しい。

NHKももしかすると「うららに騙された口」と言えなくもないが、きちんと裏どりしていないところで同罪である。そして「貧困」を隠れ蓑にする組織の実態…母子家庭なのにどうしてここまでの支出がJKでできるのか…まだまだこの貧困問題は尾を引きそうである。