すでにツイッターなどでは公表していることなのだが、個人的趣味趣向が合わない監督氏の作品は、関わらないことにしている。
例えば是枝氏。彼の場合は一種潔い、とも取れるのだが、祝福の言葉を取り合わない態度というものが気に入らない。
プレジデントの記事。頭2ページだけでも感じ取れる。
他にも、ヒダリマキ的監督諸氏(森某とか、アニメ系なら宮崎何とか<息子さんは違うと思いたいけど>)の作品も触らないように心がけている。

そんな中で異質といってもいいのが庵野秀明氏だ。いつのころからか……少なくともナディアの時はほかのアニメーターの中の一人だった程度なのに、「エヴァンゲリオン」のテレビシリーズを見て初めてといってもいい「この人とは相いれない」感覚にとらわれたのだ。
もちろんこの作家性が大好き、という人もいるだろうし、シンパも大勢いることはわかっている。だが、私には、あの衝撃の最終回の意味不明ぶりがトラウマになってしまったままの26年間。それでも「劇場版で何か答えが見つかるか」と思った鑑賞も、1作目は納得したものの、二作目のまとめ方に幻滅し、以後、まったく触らなくなっていく。当然新劇場版はすべて未見である。

Yahoo!では☆5個が乱立し、待ち望んだ人たちやガチ勢の援護もふんだんに感じられる。だが、私はこの作品シリーズにはたとえ関連商品であっても関わりたくない(あれだけ店内を席巻した、パチ・スロであっても、一度も触ったことのないくらいには毛嫌いしているのがお分かりいただけよう)。

だが、映画の興行成績、という側面からはぜひとも解析したいと思わせるだけの理由がある。その第一ポイントは「月曜始まり」という希代まれなるオープニングを記録したことである。木曜日が祝日でこの日からスタート、ということはあったかもだが、週初めの月曜日スタートは異例中の異例。この日が非常事態宣言の解除日であることは大きかったかもだが、首都圏という一大消費地では解除されず、ナイト回の積み増しもなく20時でクローズすることとなり、ちょっと目論見は外れた。第二のポイントは、すでに決まっている「コナン」の4/16とのバッティングは避けなくてはならないとなれば、3月初旬しか残されてなかったことが大きい。

果たして、3/8の初日の入れ込みはこうなった。
元編集長の映画便りサンのツイート。
実は、当日は、暇にあかせて例のサイトを使って、入れ込みを追いかけていたのだが、度重なる4桁増で途中から盛り上がらなくなってしまった。
当日の最終結果はこちら。

この結果と、平日3日間の入れ込みも勘案して、今後の本作の入れ込みを予想したいと思う。
まず、基礎データとして3/8−3/10のデータ総計は65万強(352629+153484+144176)。初日のデータからのかけ率は1.5倍となっているので、3/10終了時で100万人に手が届くところまで来ている。3/12からの新作のために少しは箱を譲ることになるだろうが、それが回転率を著しく上げる。初日を越えられる土日の興行が発生するかが焦点だ。
ということで、おなじみのへなちょこ予想を上げる。
○3/13・14の土日は、総計100万人は記録する(平均50万人で初日越えはないと判断する)
○最終成績は500万人、70億強とみる

○3/13の入れ込みが40万人程度しかなく、初日を越えられないことが確実。週末一位獲得は確定だが、3/14との合計は85万人程度。
○最終成績は450万人、65億程度と見る。

そもそも、このシリーズは、根強いファンに支えられている。「Fate」や「ガルパン」といった、初日初回に参加できてナンボ、なところが大きい。だから初日に50万人以上が参集したのは道理なのだが、その勢いは続かない。どぎついリピーターも続出する内容か、といわれると、「そうではないらしい」というツイートも散見された。しかも上映時間は長く、上映回数を多くは設定できない作品になっており、その分でも劇場営業からすれば芳しいとは言えない。
何より、世間一般が盛り上がっていない。旧劇の時は、あまりに並ぶ人波に恐れをなして、開場時刻を早朝に繰り上げたという逸話こそあったが、当時と違って今の週刊誌は政治スキャンダルに御熱を上げている。オタク映画には一瞥もくれないだろう。
「鬼滅の刃」と比較しても、本作のテレビシリーズ初版は1995年。鬼滅がそれほど間隔をあけず、しかもテレビシリーズの続編として作られているのとは成り立ちも違う。

そう言った部分を勘案して、新劇場版の直前作・Qよりは30%程度の上積みを予想。前作の52.6億の3割増しとして68億程度。今作はIMAX/4DX系が好調なので、その分の加算をして70億強と予想した(残っている興行成績の記事はこちら)。
→3/13の入れ込みなどから、初動型の推移が顕著に見られるため、前作の3割増しを2割増しに下方修正、動員数は450万人、興収は、65億程度と予想を立て直した。

さあ、この予想が当たるのか、外れるのか?私個人的にはいい方向に外れてほしいのだが、世の中が鬼滅一色に塗り替えられているアニメーション映画状況の中で、そこに一矢報いられるのかは注目だ。とりあえず完結したと思われる本シリーズ。庵野氏を見直すタイミングが訪れることはあるのだろうか?