私が劇場で映画を見ることをいとわなくなって、3年余りが経過した。
結果的にこのブログも、映画レビューブログ化してしまっており(まもなくいろいろ記事は上げます)、そろそろ方向を戻さないといけない状況に陥っている。

それでもスクリーンに対峙することを止められないでいる当方。
12月は「片隅」だけでお腹いっぱいになりそうなのだが、それ以外も良作続きでどうしたものか、と思ったりしている。その意味では、「天気の子」は「アナ雪2」直前で終焉がほぼ確実。つまり、世代交代はなされ、私を含め積めなくなることは必至となるのだ。

洋画大作にも触手を動かしたかったサービスデーだったが、結局「大きいお友達」の一員としてプリキュアの新作映画をターゲットにする。
実は「オールスターズメモリーズ」を越えうる作品って現れるのか、と思っていた節があり、春先の作品はスルーしていた。なので今回も、特に単体であるがゆえに、どこまで話を持っていけるのか、が焦点だった。で、結果的に見ない方向に公開当初はなっていた。ただ、何人かのツイ主が「見るべし」というメッセージを残しているのが気になってしまっていたのだ。

ストーリーは、比較的簡単。新星爆発の際に生まれた星の子供……スタードロップを巡って、守るプリキュアとハンターたちとの争いが描かれるのが本編となる。
だが、この作品は、どちらかというとストーリーよりも、音楽の持つ意思疎通というものに重きが置かれている。言葉の通じないUMA。しかし、彼女たちは、このUMAが音楽には反応することを見出す。そして、落ち着かない彼をララは歌うことでおとなしくさせたのだった。
このファーストコンタクトが、その先の大きな伏線になっているとは夢にも思わなかった。邪悪な心に触れてしまったことで、自身も巨大な暗黒惑星を作り出してしまうUMA。それを収めようとするひかるとララ。このシークエンスは、以前のミデンの暗黒面に落ちていくキュアエールと同じ作劇にしてあり、いわば、本物のピンチに館内が立ち上がるべき演出になっているのだが、あまりに高尚過ぎて館内は追いついていなかった。
そして、またしてもエンディングで私はしてやられる。「Twinkle Stars」は、このUMAが落ち着いた旋律が冒頭で使われ、たださえ涙腺がやばくなっている私を追い込んでくれた。ここ最近のクロージングのレベルの高さには脱帽である。
得点は、ズバリ93点になった。もう少しずっこけ系の笑いとかはほしかったし、犬型警察もレギュラー陣かと思いきや、今回の特別設定(しかも、知念里奈という忘れ去られた方が使われたのみならず、エンディングも彼女が歌唱したバージョンが使われている)。ストーリーが薄くならざるを得ないのがプリキュアなのだが、それでも演出、そして音楽面に大いに振った作風に感服する次第である。
音楽で、異星人/言葉の通じないものとの交流を描く、といえば、名作「超時空要塞 マクロス」シリーズということになるのだが、いみじくも「物語る亀」さんがそのことに言及しているではないか?!
もちろん、プリキュアの場合、歌は後付け。それでも、名作のエッセンスをうまく取り込んで、分かりやすく咀嚼できる製作陣の凄さは本物である。

半年に一作というハイペースで送り出される作品。70分余りながら、ハズレがほとんどないというのは本当にすごい。単に「多様性」だけを追い求めているからではない内容に、大きいお友達はもとより、親世代にも十分に訴求する内容である。