2019.12.20。
想像通り、「スターウォーズEP9」の一人勝ち状態。当方的には「これを押さえて2位分捕れるぞ」と意気込んだ「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」は、そもそも箱がなく10位にも入らない(18位)大幅な出遅れ。ヒロアカが原作持ち/ファン層に訴えかけたこともあって2位、アナ雪は大失速で、1000万人は厳しくなったかもしれない。
そんな20日スタートの作品の中で当方がひそかに押していたのが「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」であった。予告の段階で、3Dアニメーションではあるけれど、光線の当て方とかは2Dを意識した動き、つまりそれほどてかりを過剰に表現していない。立体的に見せるよりは、動き重視にしたのではないか、と思ったりしていた。
なので当方もそこそこに期待する。ネガティブに考えるなら、3部作の3作目、物語の終焉をどう見せるのか、が焦点だった。
日曜日のOSシネマズミント神戸の夕方回は字幕。「うーん、字幕かあ」にはなったけれど、作品の第一印象を日本語で押さえてしまうのは違うと思い立ち、この選択にした。
まだ3日目、さぞや埋まるだろうな、と思いきや、ペア3組、ソロは男性3人女性一人。ぎりぎり10人は見てくれたわけだが、早くも公開末期症状で先が思いやられる。ちなみにロビーがごった返していたのだが、それもこれも、宝塚歌劇のライブビューイングのなせる業。「すべらない興行」という意味合いでも、宝塚というコンテンツは捨て置けない。
物語は、ドラゴンたちであふれかえるバーク島からの「引っ越し」とそれにまつわる二組のカップルの恋の行方、に焦点が絞られる。
特に気に入ったところは、トゥースとホワイトフューリーとのほぼ初めてといえる邂逅と、求愛である。ここをヒックのセリフ以外、余計なしゃべり無しで音楽と行動だけで見せ切ったところがすごかった。相手にうまく感情を伝えられない、表現できないトゥース。気が付けば、人間のヒックに助言を賜ろうとする始末。それだけ彼に野性味は失われ、人間との共生を果たせているはずなのに、恋の前には、そう言ったしがらみがかえって邪魔になる。
最終的に二人は結ばれ、「王」としても君臨するのだが、このシーンが、ライオンキングやゴジラKOMがよぎったりするので、あんまりいい演出とは言えなかった。
仮住まいのはずの休憩地がバーク島になっていく描写にはやや強引さと説明不足を感じたのだが、ここで言いたいのは、本来はドラゴンとの共生の話になっているのに気が付けば人間だけで話を進めていくという部分である。
この作品もご多分に漏れず、「文化の異なるものとの共生」「恋愛がもたらす効果」「強い女性」といった最近の風潮に影響を受けている。二つのカップルの恋の行方がメインテーマだから、ほかの事柄が全部脇筋どまりになってしまったし、悪役のその悪を行う大義=正義とは何かも弱く感じた。
というわけで88点どまりとした。山谷があまりに薄いのだ。クライマックスの、ハンターたちの船団を壊滅させるシーンも見どころはほぼなし。暗闇で戦っていることにしたおかげで全然上がらないのだ。
悪手しか目立たないかというとそうではない。バーク島でのワチャワチャする感じは満漢全席といってもいいくらいの色遣いと壊れていくものたちの描写に息を飲むこと請け合いである。トゥースのスピード感などもよく表現できている。
ラストシーンは、予定調和感ありありながら、3部作のラストをきっちりかざってくれてほっと胸をなでおろす。斜め上の結論とかがないだけでも、このシリーズはよくできたと思ったりする。
想像通り、「スターウォーズEP9」の一人勝ち状態。当方的には「これを押さえて2位分捕れるぞ」と意気込んだ「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」は、そもそも箱がなく10位にも入らない(18位)大幅な出遅れ。ヒロアカが原作持ち/ファン層に訴えかけたこともあって2位、アナ雪は大失速で、1000万人は厳しくなったかもしれない。
そんな20日スタートの作品の中で当方がひそかに押していたのが「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」であった。予告の段階で、3Dアニメーションではあるけれど、光線の当て方とかは2Dを意識した動き、つまりそれほどてかりを過剰に表現していない。立体的に見せるよりは、動き重視にしたのではないか、と思ったりしていた。
なので当方もそこそこに期待する。ネガティブに考えるなら、3部作の3作目、物語の終焉をどう見せるのか、が焦点だった。
日曜日のOSシネマズミント神戸の夕方回は字幕。「うーん、字幕かあ」にはなったけれど、作品の第一印象を日本語で押さえてしまうのは違うと思い立ち、この選択にした。
まだ3日目、さぞや埋まるだろうな、と思いきや、ペア3組、ソロは男性3人女性一人。ぎりぎり10人は見てくれたわけだが、早くも公開末期症状で先が思いやられる。ちなみにロビーがごった返していたのだが、それもこれも、宝塚歌劇のライブビューイングのなせる業。「すべらない興行」という意味合いでも、宝塚というコンテンツは捨て置けない。
物語は、ドラゴンたちであふれかえるバーク島からの「引っ越し」とそれにまつわる二組のカップルの恋の行方、に焦点が絞られる。
特に気に入ったところは、トゥースとホワイトフューリーとのほぼ初めてといえる邂逅と、求愛である。ここをヒックのセリフ以外、余計なしゃべり無しで音楽と行動だけで見せ切ったところがすごかった。相手にうまく感情を伝えられない、表現できないトゥース。気が付けば、人間のヒックに助言を賜ろうとする始末。それだけ彼に野性味は失われ、人間との共生を果たせているはずなのに、恋の前には、そう言ったしがらみがかえって邪魔になる。
最終的に二人は結ばれ、「王」としても君臨するのだが、このシーンが、ライオンキングやゴジラKOMがよぎったりするので、あんまりいい演出とは言えなかった。
仮住まいのはずの休憩地がバーク島になっていく描写にはやや強引さと説明不足を感じたのだが、ここで言いたいのは、本来はドラゴンとの共生の話になっているのに気が付けば人間だけで話を進めていくという部分である。
この作品もご多分に漏れず、「文化の異なるものとの共生」「恋愛がもたらす効果」「強い女性」といった最近の風潮に影響を受けている。二つのカップルの恋の行方がメインテーマだから、ほかの事柄が全部脇筋どまりになってしまったし、悪役のその悪を行う大義=正義とは何かも弱く感じた。
というわけで88点どまりとした。山谷があまりに薄いのだ。クライマックスの、ハンターたちの船団を壊滅させるシーンも見どころはほぼなし。暗闇で戦っていることにしたおかげで全然上がらないのだ。
悪手しか目立たないかというとそうではない。バーク島でのワチャワチャする感じは満漢全席といってもいいくらいの色遣いと壊れていくものたちの描写に息を飲むこと請け合いである。トゥースのスピード感などもよく表現できている。
ラストシーンは、予定調和感ありありながら、3部作のラストをきっちりかざってくれてほっと胸をなでおろす。斜め上の結論とかがないだけでも、このシリーズはよくできたと思ったりする。