日本映画(実写)に関しては、今まで正直言って「金まで出してみるもんじゃねえ」という偏見を生まれてこの方してきていた。
2014年以前に見た実写映画は、スターウォーズなど、ハリウッド系ばかり。学校で上映会があった映画なんかは邦画だったと記憶しているが、いずれにせよそれまで見た実写映画は、10指で十分足りる本数だった(最後の実写が「首都消失」だった、と今書きながら思い出した)。そんな私が映画館に引き戻されたのは、押井守氏の手掛けた「機動警察パトレイバー」の実写版である。短編を7回に分けて上映、そして長編映画にとつなげていく手法を取っていた。
当方の実質的な映画レビューデビュー記事がこちら

そして、私をスクリーンに誘って離さなかったのは、「君の名は。」である(何度書いたかわからないwww)。開始一秒。あの吸い込まれるような彗星の落下シーン。これを見たからこそ、映画の魅力とスクリーンで見る重要性を思い知らされたのである。
いまとなっては「多趣味」の一角をなすまでになった映画鑑賞。そして今回は、世間で喧しい話題を提供していただいた百田直樹氏原作の「フォルトゥナの瞳」が、実写化される、しかも舞台は関西、さらに神戸の街並み!!これは見るの一手だった。

公開が2/15。16のイベントなどもあったので、映画鑑賞は8日ぶり。それでも公開初期に見ることは重要だ。
梅田の一番、といえばTCX仕様。屈指の大画面で見られるとなれば、それを選択するのをいとわない。
仕事終わりでここに突撃するギリギリの16:20ころ到着。すでに入場は始まっており、完全な観客動向をつかめなかったのだが、入れ込みの方は、中通路を挟んで、後ろ側は、ほぼ7割程度。それより前はそこからあふれた人たちが座っていくような感じ。トータルでは733人箱でほぼ半分と言ったところ。もちろん女性陣の比率が圧倒的だが、「何を見ようか」決めていなかった男子高校生の一団(5人)が喧々諤々の末これに決定したりしていたので、男性の比率も少なくないとみる。カップルが3割強、同姓ペアはこれも3割、グループもいただろうが、試算的に男女比は8:2で女性優位とする。平均年齢は、30代前半。

タイトルからいきなりの緊迫場面。あの"御巣鷹"を想起させる飛行機事故。そこで助かった一人の青年が今回の主人公である(事故当時は5歳程度。セリフらしいセリフはなかったが、表情がなかなかよかった)。
さて、実写で動く神木隆之介主演の映画は初体験。「三月のライオン」「桐島」など話題作には出てきている風に思えるのだが、ぶっちゃけ、めちゃくちゃうまいというわけでもない。普段は冒頓として目立たないのだが、それでもとんでもない行動力がある、という役どころがぴったりなのだが、その部分ではこの作品のクライマックスに通じる部分が大きい。
ヒロインの有村架純は、前回の「かぞくいろ」で大きく評価を落としてしまったのだが、あれはミスキャストのなせる業。今回のような、天使の微笑みを幾たびかなげかけられたら、ファンならずともホッコリさせられてしまう。医者役の北村有起哉がいい押さえキャラになっている。これも浮ついた田辺誠一でやった「雪の華」とは大違いである。命をもてあそべる力を使うな、とさとされる神木演じる木山。でも、それを大切な人を護るためには使いたいという木山。あの病院の屋上と思しきところで撮ったワンシーンは、この作品の趨勢を占う良いシーンだった。
車屋のオーナー・時任三郎に斉藤由貴という夫婦の描き方も抑制的。そしてもう一人のキーパーソン・金田役の志尊淳も若手のホープらしさがにじみ出ている。

何で登場人物ばかりの講評になっているのか……これで大体の見当が付いてしまう。
そう。ストーリーが薄っぺらのペラッペラなのだ。BOY MEETS GIRL的な前段、愛を深める中盤、真実に抗う後半、これしか書きようがないからである。ただ、神木が愛に殉じた後日談的な、ラスト10分強は、度肝を抜かれた。
原作を知らないで見るとこうした驚きもプラスになる。有村演じる桐生葵も同じ能力者だったというのだ。しかし、それですべてのつじつまが合う。そこから葵目線の二人が描かれるのだが、涙腺が弱い人あたりは、この驚愕の事実でさらに胸を熱くするのだろう。
わたしの感涙ポイントは、「捨ててなかったのかよう」というエンゲージリングが出てきた下りである。捨てて葵を護る方向に舵を切る木山だったのだが、出勤するとわかってすべての歯車が狂い出す。それでも列車を止めるべく渾身の力を振り絞る木山。「それかぁ」が原因とわかったのだが、ここはあえてネタバレなしとしておく。

得点は案外、な88点とする。
そもそも「お涙ちょうだい」原作だし、この結末もほぼ想定内。木山が葵を護ることにしたのに、どうして葵は木山に「するな」といわなかったのだろう、というもやもやが残っている。
葵が、木山の能力にかなり前から気が付いていたのに、あの一夜を共にしたシーンでの木山の死を避けさせなかったあたりにこの作品の不条理を見出すのである。
使うと死に至る能力。愛する人だけでなく大勢の命と引き換えにそれを使った木山と、使わなかった葵。ウーム。どうしてもここに行きついてしまう。

さて、冒頭にもお伝えしたが、関西オールロケ、ということですでに一部撮影地も判明している。
12カ所ということなのだが、一部はおおざっぱに「三宮」とか書かれていたりするが、大筋で間違っていないだろう
神戸がメインの撮影地、ということで「date.kobe」というサイトがロケ地の詳細を示してくれている。
まあ素人の私の分析より、こちらの方が役に立つ、ということで、2/20にこちらのサイトを見てちょうだい、というふうに変更した。
こちらがこのサイト。期間限定の可能性もあるので、サイトを保存するなど、舞台訪問をしたい方はその旨怠らないように。
ここでは紹介されていない場所をあげようと思う。車屋が存在していると思われるイメージカットとして登場するのが、六甲アイランド近くの3工区と言われる埋め立て地である。
ここ。当然ドローン等を使った撮影になっていると思うのだが、工業地帯という雰囲気も醸し出されて、よかった。
尚、商業クラスタの方々に朗報。ラスト付近で、町中を走る木山のシーンは、神戸市・灘区の都賀川周辺で撮影されているのだが(このあたり、完全な場所の特定は後日追っかけます)、遠目にダイエーマークの塔屋が映り込んでいる。当初、鈴蘭台店(0268)かと思ったのだが、背景に見える線路は「阪急電鉄」のもので当該店舗はGC灘店(0404)であることがわかったのでお知らせする。

というわけで地元民ならではロケ地探訪も入れてみた。まあ、映画としては、「絶賛」には程遠く、くどいようだが、葵の行動にもやもやが付きまとう。いや、木山が行動的過ぎるのか…