当初、20日は松竹系のサービスデーだったので、そっちに回るつもりでいたのだが、TOHOのHPを見てびっくりする。なんとシネマイレージ会員なら1100円で一週間みられる、というのだ。(6/15-21まで)
「もっと早く言ってよ」と言いたくなったが、気がついたのが19日なのだから仕方ない。最寄りの東宝系は西宮OSなのだが、敢えて大阪・梅田まで行くこともあるまい、と思いここで我慢する。
そしてラインアップを確認。朝一からの上映で気になる洋画を見つける。それが「ワンダー 君は太陽」である。

先天的な理由で顔を何度も手術する羽目に陥ったオギー。醜くなってしまった顔を隠すようになり、プレゼントでもらった、宇宙服スタイルのヘルメットを愛用し、部屋の中でも着用するありさま。それでも、未来は宇宙に飛び出したいと思っている宇宙大好き少年だった。
今までは家庭での学習だったが、遂に学校に行くことになるオギー。いじめや打ち解けないなど、想定される障害・ハードルはいくらでも挙げられていた。サマーバケーション時に在校生3人に案内されるオギーだったが、このときの男のコとはいい意味でいい関係を紡いでいくことになる。
初登校日から、試練と好奇の目にさらされるオギーだったが、まずは初日を何とか通り過ごす。父の忠告通り、理科の授業ではガツガツ回答していくわけだが、そこは、物理や化学に縁がある家庭環境ともつながりがあるのかもしれない。
ジャックとは、小テストのカンニングで遂に第一の友人としてつながる。それから二人は仲良くなっていく。友人ができるとは思っていないお母さんの狼狽ぶりがいい感じだ。
それでも、いじめっ子の棟梁的な相手とは最後まで相いれないままになっていく。ジャックとの決定的な決裂が、理科の自由研究で露呈してしまう。
結局人間的に成長しているオギーの周りに人が集まり、グループができるまでになっていく。その間にオギーの家にも、そして、姉にもいろいろとイベントが重なっていく。

最後は、オギーに褒賞が与えられるところでおしまいになるのだが、人間ドラマとして破たんすることもなく、全てに丸く収まるおおむね大団円で〆てくれた。
奇形を抱える子供を持つ親の気持ち、その本人に降りかかってくるいじめやいわれなき迫害、でも実際はその外観にとらわれない子供の純粋な気持ちが紡がれていく。
時折、オギーに関係していくものたちのドラマを抽出する形で物語を構成するやり方も、斬新、というよりは、その人たちの人となりもつかめて理解も深まった。
人間ドラマを撮らせたら、ハリウッドであっても面白いばっかりではない。例えばこの作品の場合、サマーキャンプ(つまりアメリカの世情で言えばその学年最後の一大行事)自体も、もちろんそこでの乱闘なども脇筋といえば脇筋である。時間稼ぎというか、埋め草というか…もう全員の関係性が明らかになっている時間帯でのこの映像は本当に要ったのか、どうか。せいぜい、友人が増えたレベルの話になるわけで、このあたりの構成に疑問符はつく。

だが、家族愛にあふれる作品であり、子どもは見えないものが見えているのだ、ということを知らされる。この作品の肝は、いじめられる子供の成長物語ではなく、家族とは、人とはどうあるべきかを大きく見せる作品だとみている。
なので得点は軽く90点はある。ジュリア・ロバーツのおばちゃんぶりには愕然としたが、やはりうまい。姉の存在、その親友、そしてオギーを取り巻くクラスメートたちの暖かさ。何度も何度も、という作品ではないが、心の片隅に残る快作となっていることは間違いない。