5月後半も、有名/著名/芸能人など、各界の方々が鬼籍に入った。

特に私を震撼させたのは、先月、ガン公表と舞台降板を声を振り絞って記者会見した今井雅之氏であり、胃がんだったとはいえ、それほど体調不良に感じさせなかった漫才コンビの一人・今いくよさんである(くるよさんは、太い方ですので、お間違えなく)。

お二人に共通するのは「ガン」。消化器系のがんは、やはり、転移や劇症化が激しいのだろうか、特に今井さんの場合、自衛隊出身だったこともあるのだが、がたいのいい、ちょっとこわもての風貌からの、激ヤセに生気を失った声、顔色…。だれの目にも「あ、これ、アカンやつや」と映ったに違いない。

とはいえ、早期発見できていれば、余命生存率も上がるとされるガンだが、発生したタイミングが若年層だと、進行が速いともいわれる。今井さんは50台、いくよさんは60台後半。そういえば、昨今はあまり話題にもならなくなった妻騒動の渦中の夫・やしきたかじんさんも、ガンだった。

「トラは死して皮を残し、人は死して名を残す」とは有名なことわざだが、今の時代、一種残酷なことだが、生前のVTRが大切に保存されている。そこには、在りし日のあの人が、まさにぴんぴんした状態で映像として残っている。

私の中で、いつも「時が止まっている」と感じるのは、毎年のように放送される『美空ひばり忌』の模様である。NHKを中心に、歌う姿や映画出演のワンシーンを交えて、振り返るものだが、そこにいるひばりさんは、いずれもあの日のまま。年も取らずに見ている我々だけが加齢していく。懐かしさを感じると同時に、「今生きておられたら、どんな歌声を披露されているだろうか」とか、「全盛期に亡くなって老いさらばえる姿を見ずに済んでよかった」と言った、いろいろな感情が支配するのである。

「死」は時を止める。しかし残されたものは、止った時を振り返るばかりではなく、前に向いて歩かなければならない。
…そう書いて、ずいぶん前に見たちょっと感動するFLASHを思い出してしまった。説明は要らないでしょう。見て、在りし日のあの人たちを笑顔でお送りいたしましょう。合掌。